ロンドン最古の“ボードウォーク”を発見
2009年8月18日(火)16時1分配信 ナショナルジオグラフィック
テムズ川沿いにある東ロンドン郊外の町で、泥炭地層から古代の木材が発掘されている。 2009年8月、ロンドン最古とされる先史時代のボードウォーク(木道)が発見された。食料調達などで湿地を歩かなければならない場合に、足下が濡れないようにするために作られたと考えられている。Photograph courtesy University College London [ 拡大 ]
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テムズ川沿いにある東ロンドン郊外の町プラムステッドに、ベルマーシュ刑務所がある。この刑務所の近隣には太古の昔から泥炭湿地(未分解の植物などが堆積している湿地)が広がっているが、そこで5700年以上前のものとみられる木道が発見された。
研究チームのメンバーで、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの考古学研究所在籍のジョン・サイグレイブ(Jon Sygrave)氏は、「人工物であることは間違いない。非常に貴重な発見だ」と述べている。
このボードウォークが敷かれた頃、テムズ川は広大な湿地帯を流れる無数の支流や水路が流入する複雑に入り組んだ河川だった。
この木道は川のほとりの湿った地面で足下を濡らさないように敷設されたのかもしれない。
「鳥や植物といった食料が豊かな地域へ出かけるときや、川へ魚釣りに行くときに役立てたのだろう」と、サイグレイブ氏は推測する。
今回発見されたボードウォークのほかにも、イギリスでは同じような古代の建造物がいくつか発見されている。イギリス南西部、現在のサマセットの沼地にある"スウィート・トラック(Sweet Track)"は、約6000年前に敷設されたとみられる世界最古の木道だ。
今回ロンドン郊外で発見されたボードウォークはロンドン最古と考えられ、2002年にロンドン東部のドックランズ地域で発見されたものより敷設時期が700年早い。大きさは1.5メートル×2メートル、材料にはハンノキやハシバミを約10センチ幅に切断加工したものが使われている。それらの木材はかつて川が流れていた場所の近く、地下4.7メートルで発見されたという。
しかし、近くに先史時代の集落が見つかっていないため、当時の人々がどのくらいの距離を移動してこのボードウォークに到達していたのかは明らかになっていない。今後、その構造や周辺で発見されている木材の分析が進めば、敷設の目的も明確になるはずだ。
また、今回見つかった建造物は、新しい刑務所施設を建設する前の発掘調査の際に発見された。もっと長く延びている可能性もあるが、調査を続けるには莫大な時間とコストが要求される。そのため、これ以上の調査は行われず、ロンドン最古のボードウォークは新しい建物の特殊ガラス製の床下で保存されることになっている。
Kate Ravilious in London for National Geographic News
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