本文へジャンプします。



文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
※スタイルシートを有効にしてご利用ください


現在位置: @niftyニューストップ > 海外 > 海外総合 > 過度の運動は中毒になる可能性


海外総合

過度の運動は中毒になる可能性

2009年8月21日(金)19時32分配信 ナショナルジオグラフィック

記事画像

 回し車に乗るラット(アメリカ、メリーランド州にて撮影)。トレーニングをやめられないような筋金入りのランナーは、麻薬中毒と似た状態に陥っている可能性があるという。 2009年8月に発表された研究で、著しく運動量の増えたラットに麻薬拮抗薬として用いられる化合物を与えると、薬物中毒の典型的な禁断症状を示すことが明らかになった。Photograph by Joseph H. Bailey [ 拡大 ]

-PR-

 新しい研究によると、トレーニングをやめられないような筋金入りのランナーは、麻薬中毒に似た状態になっている可能性がある。“ランナーズハイ”として知られる状態がそれにあたる。ランナーがそのような多幸感を得るためには距離を相当伸ばさなければならないが、その状態で走ることを強制的に止めると、うつ状態に陥る可能性もあるという。

 このような“禁断症状”が現れることから、運動時に中毒性のある化学物質が体内で自然に生成されているという説が唱えられている。

 アメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学のロビン・カナレク氏率いる研究チームは、この説を検証するため、ラットをケージの回し車の有無で分けて実験を行った。

 7日後、回し車を与えられたラットはオス・メスともに、回し車を使って走る量が自然と増加した。「回し車で走るラットが徐々にその運動量を増やすことはさほど驚くことではない」と同氏は言う。

 9日目に、運動量の増えたラットとそうでないラットそれぞれを、さらに複数のグループに分けた。それまでエサは常に食べられる状態だったが、運動量の多いラットの約半数は食事を1日1回1時間だけに制限した。

 エサを制限されたラットは、スポーツ選手にみられる“アノレキシア・アスレティカ”という摂食障害に陥り、さらに劇的に運動量を増やして、体重を減少させ始めたのである。

 アノレキシア・アスレティカは、人間が発症した場合でも命にかかわることのある精神疾患で、競争原理のプレッシャーによって追い込まれた患者は強迫観念にとらわれて運動を続け、体重を減らしていく。

 カナレク氏は、この精神疾患が発症するときに活性化する化学経路が、麻薬中毒と同様なのではないかと考えた。

 研究チームはこれを検証するため、ナロキソンという化合物をすべてのラットに注射した。ナロキソンは麻薬拮抗薬(モルヒネなどの作用を抑える薬)として用いられることも多いが、中毒者に注射すると、身もだえ、歯ぎしり、嚥下運動といった禁断症状を引き起こす。

 同氏はその後、経緯を知らない第三者にナロキソンを注射したラットの行動を書き留めるよう指示した。すると、最も深刻な禁断症状が現れたのは最も運動量の多かったラットで、回し車のないケージにいたラットにはあまり禁断症状が出ないことが明らかになった。

 とはいえカナレク氏は、人間の過度の運動が依存症に直結すると心配しているわけではない。「運動量の多いラットがナロキソンによる禁断症状を示したといっても、程度としてはモルヒネ中毒ほど重いものではなかった。つまり、運動の中毒性はそれほど高いものではないと考えられる」と話している。

 運動に中毒作用があったとしても、それをうまく利用できる可能性もある。「薬物依存症患者の治療に運動を利用することで、実際に効果を上げられるかもしれない。それは、今回の成果のひとつといえるだろう」と同氏は語った。

 この研究結果は「Behavioral Neuroscience」誌8月号に掲載されている。

Matt Kaplan for National Geographic News

「宇宙開発戦争」の動画はこちら »

■ 関連コンテンツ
アルコール依存症にクズエキスが有効か
コーヒーは幻覚を引き起こす?
アメリカ紙幣の90%がコカイン汚染
マリファナから“ハイ”にならない抗炎症薬を開発?
医薬品の次期ヒット作は海から


ナショナルジオグラフィック 科学&宇宙最新ニュースはこちら »







推奨画面サイズ
1024×768 以上

  • Copyright (C) 2009 共同通信社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 時事通信社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 読売新聞社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 レスキューナウ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 Thomson Reuters. All rights reserved.ロイター・コンテンツは、トムソン・ロイター又はその第三者コンテンツ・プロバイダーの知的財産です。トムソン・ロイターから書面による事前承認を得ることなく、ロイター・コンテンツをコピー、再出版、再配信すること(キャッシング、フレーミング、又はこれらと同等の手段による場合を含む)は明示的に禁止されています。トムソン・ロイターは、コンテンツの誤謬又は遅延、或いはコンテンツに依拠してなされたあらゆる行動に関し一切責任を負いません。Reuters(ロイター)及びReuters(ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びその関連会社の商標です。ロイターが提供するその他のメディア・サービスについてお知りになりたい場合は、http://about.reuters.com/media/をご参照ください。 /
  • Copyright (C) 2009 産経新聞社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 スポーツニッポン新聞社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 アイティメディア 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 日刊スポーツ新聞社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 J-CASTニュース 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 Record China 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 日刊ゲンダイ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 小学館 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 朝日新聞出版 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 講談社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 ダイヤモンド社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 扶桑社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 文藝春秋 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 東洋経済新報社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 NTTレゾナント 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 リクルート 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 キャリアブレイン 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 角川マーケティング 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2008-2009 Broadmedia Corporation. All rights reserved./
  • Copyright (C) 2008-2009 National Geographic. All rights reserved. 記事・写真等の無断転載を禁じます。 /
  • Copyright (C) 2009 CyberAgent 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 集英社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 RAUL 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 住宅新報社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 フィスコ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 テクノバーン 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 聯合ニュース 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 WoW!Korea 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 プレジデント 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 翔泳社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 BCN 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 オールアバウト 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 はてな 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 リアルスポーツ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 東京カンテイ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 NPO法人放送批評懇談会 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 GLOBIS.JP 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 PHP研究所 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 MTV Networks Japan株式会社 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 京都新聞 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 ぴあ 記事の無断転用を禁じます /
  • Copyright (C) 2009 マガジンハウス 記事の無断転用を禁じます


このキーワードの