テストステロン濃度と投資リスクの関係
2009年8月25日(火)14時3分配信 ナショナルジオグラフィック
日本を代表する金融街、東京の兜町に集まる人々。 2009年8月、男性ホルモンの1種、テストステロンの濃度が高い人は、女性でも投機行為に走りやすいとする新たな研究が発表された。Photograph by Justin Guariglia [ 拡大 ]
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このホルモンは女性の体内でもさまざまな濃度で分泌されるが、男女どちらの場合でも、競争心や独占欲、自信を高めたり、恐怖心を抑えたりする作用を持つ。
テストステロンが金融リスクの判断にどのような影響を持つのか調べるため、研究チームはシカゴ大学経営大学院でMBA(経営学修士)取得を目指す男女学生500人に特別なコンピューター・ゲームをプレイしてもらい、金融リスクに対する嫌悪度を測定した。
「彼らはみな、この手の金融ゲームを良く理解している専門家であり、卒業後はほぼ間違いなく業界の第一線で活躍するメンバーだ」と、研究に参加したシカゴ大学の経済学者ルイジ・ジンガレス氏は説明する。
ゲーム中、学生たちは二者択一を繰り返し迫られた。定額の報酬をそのまま受け取るか、あるいは運試しをして増額を狙うかという選択だ。
研究チームは実験の前と後に、各被験者の唾液を採取してテストステロン濃度を測定した。その結果、女性よりも男性の方がリスクを取る傾向があることが判明したが、男性グループにはある種の“天井効果”が見られた。あるポイントまで達するとテストステロン濃度が上昇してもリスクを試す傾向は伸びなくなり、個人間の差が縮小することが確認されたという。
テストステロン濃度が同じレベルの男女間では、リスクに対する嫌悪度に違いは表れなかった。つまり、濃度が高いほど投機行為を好む傾向は男女とも一緒だったということだ。
この研究では、被験者たちの卒業後に追跡調査も行われている。それによると、ゲームの実験でリスクを負うことを好んでいた学生は実世界でもやはり、投資銀行業やトレーダーなど、リスク性の高い仕事を選ぶ傾向が見られたという。
しかしジンガレス氏は次のように注意を促す。「テストステロンの濃度が高いからと言って、成功が保証されるわけではない。このホルモンの濃度が高い男性ほど、賭け事やアルコールに溺れやすいという研究成果も過去に発表されている」。
この研究成果は、8月24日発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載されている。
Ker Than for National Geographic News
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