古代鳥類の羽も虹色に光る、初の証拠
2009年8月27日(木)15時43分配信 ナショナルジオグラフィック
羽毛の化石(写真)から玉虫色の痕跡が初めて確認された。約4000万年前の鳥類は現生のムクドリのように、光沢をたたえる黒い羽を持っていたようだ。 2009年8月に発表されたこの研究により、絶滅生物の実際の体色を特定するのに一歩近づいたとチームは述べている。Photograph courtesy Jakob Vinther/Yale University [ 拡大 ]
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この発見の基になったのは、4000万年前に生息していた鳥類の羽の化石である。ドイツ、フランクフルトのゼンケンベルク博物館が30年近く保存していたもので、鳥の種は特定されていない。古代の鳥類の羽が玉虫色に輝いていたことを示す初めての証拠となる。
玉虫色は、物質とそこに当たった光の相互作用によって発色し、見る角度によって色彩は変化する。水面に浮く油膜の虹色の干渉縞がその一例である。
アメリカ、コネティカット州ニューヘイブンにあるイェール大学の鳥類学者で、研究に参加したリチャード・プラム氏は次のように話す。「この研究により、絶滅した生物の本当の体色を特定するのに一歩近づいた。絶滅種の色合いについてはほとんどが、現存する近縁種の体色などに基づいた推測にすぎない。中国で見つかった恐竜の羽毛を調べ、羽毛を持つ恐竜の色をぜひ再現してみたい」。
プラム氏は以前、ブラジルで見つかった白と黒の縞模様をした1億年前の羽から、色素を含む有機的構造であるメラノソームを発見している。今回の研究はこの発見に基づくものだ。同氏はナショナル ジオグラフィック協会からの助成金で研究を行っている。
プラム氏によると、電子顕微鏡で見つかったこれらの色の付いた顆粒を、科学者たちは当初、化石化の過程で羽に付いたバクテリアだと考えたという。
メラノソームの発見をきっかけに、「保存状態が非常に良い羽を調べ始めた。そして、今回の化石にたどり着いたというわけだ」とプラム氏は説明する。
研究の対象となった鳥類の羽の化石は、ドイツのダルムシュタット近郊にあるメッセル・ピット化石地域の油頁岩で見つかったものである。羽に含まれるメラノソームは密集し、平らに並んでいた。現生種のムクドリやオオクロムクドリモドキの羽とよく似ている。
この羽の化石は骨格とは一緒に見つからなかったため、種の特定は難しい。ただし、羽の大きさからハトより大きかったと考えられる。メッセル・ピットでは、それほど大きい鳥の化石はあまり発掘されていないため、絞り込む助けにはなるという。
「メラノソームの配列から、この鳥が、銅色や緑、青などの非常に金属的な輝きをまとう黒い羽を持っていたことが推測できる」とプラム氏は言う。この研究成果は「Biology Letters」誌のオンライン版に8月26日付で発表された。
具体的にどのような玉虫色だったかは、メラノソーム層とすぐ上のケラチンの層への光の反射具合によって変わる。だが、タンパク質の一種であるケラチン層は化石化の過程で分解してしまった。
「表層は見事に滑らかで、メラノソームがぎっしり詰まっている。美しく滑らかな面は層が均一であることを表す。これは玉虫色の羽に分布するメラニンの特徴だ。カラスなどの真っ黒な鳥では見られない」とプラム氏は説明した。
マシュー・ショーキー氏はアメリカ、オハイオ州にあるアクロン大学の生物学者として、羽毛の色の進化を研究している。同氏によると、玉虫色を作り出すメラノソームの証拠は説得力のあるものだという。ただし、メラノソームから絶滅した生物の体色を特定することに関しては慎重な姿勢を見せている。
「現存する鳥類の色をもっと広く調べ、比較の基準を強化することが重要だ」と、同氏は第三者の立場で指摘する。例えば、黒い鳥のメラノソームの形や大きさが例外なく類似しており、しかも茶色い鳥などとは異なるかを突き止めるべきだという。「もしこれが確認されれば、メラノソームの物理的な構造から高い確率で、羽の化石に黒や茶色といった基本的な色を割り当てることができるだろう」。
John Roach for National Geographic News
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