コウモリのラブソングを解明
2009年8月31日(月)15時39分配信 ナショナルジオグラフィック
アメリカ、ニューメキシコ州にあるカールズバッド洞窟群国立公園で撮影されたメキシコオヒキコウモリ。このコウモリは鳴き鳥やクジラと同じように、ある種の音楽言語を使って求愛するという。2009年8月に研究成果が発表された。Photograph courtesy Japan Travel Bureau, Photolibrary [ 拡大 ]
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ある種の音楽言語で求愛する動物としては鳴き鳥やクジラが知られているが、メキシコオヒキコウモリもその仲間であることが今回の研究で判明した。このコウモリはオースティン市内のほか、カレッジステーションにあるテキサスA&M大学のフットボールスタジアム周辺にも無数に生息している。
研究チームは、この2つの場所で鳴き声を録音した。その結果、メキシコオヒキコウモリの求愛ソングには、鳥のさえずりのような高い声、うなるような低い声、そして震えるような声で構成された明確なフレーズが存在することが確認された。
オスは基本的には逆さまにぶら下がった状態か、横向きに壁にへばりついて歌うが、メスの注目をさらに集めたいときには、羽ばたいたり、悪臭を放つ液体を垂らしたりもするという。「見事なディスプレイ行動だ」と、研究チームのリーダーで、テキサスA&M大学に在籍する生物学の博士研究員キルステン・ボン氏は話す。
メキシコオヒキコウモリの求愛ソングは通常、人間には耳鳴りのようにしか聞こえない。ほとんどの音が非常に高音だからだ。
しかし、録音した求愛ソングを低速再生してみたところ、複数の異なる音節で構成されたフレーズを確認できた。そしてそれらの音節自体もさまざまな音の組み合わせで成り立っていたのである。「ほかのほとんどの哺乳動物は吠え声を繰り返すだけだが、メキシコオヒキコウモリの求愛ソングにはこのような階層構造がある。それがまったく異なる点だ」とボン氏は解説する。
また、構成上のさらに高度な工夫も発見した。例えば、求愛ソングのほとんどは高音で始まり、低音で終わっていたのである。また、仲間の求愛ソングをそのまま“拝借”するようなこともしていなかった。彼らは優れたジャズミュージシャンよろしく、フレーズの組み合わせや長さを即興的に変えながら、その場その場で独自の歌を紡ぎ出していたのである。
「それぞれにお気に入りの曲構成があるのだと思っていたが、どの個体も特定のスタイルにはこだわらず、さまざまな曲を歌っていた」とボン氏は話している。
この研究成果は、「PLoS ONE」誌のオンライン版に8月25日付で掲載された。
Ker Than for National Geographic News
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