“勘違いされた”ヤモリが新種に昇格
2009年9月25日(金)15時11分配信 ナショナルジオグラフィック
2009年9月24日。長きに渡って顧みられなかった小さなヤモリ(写真)が、最近行われた調査によってようやく陽の目を見ることになった。Photograph courtesy Fabio Pupin [ 拡大 ]
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薄ピンク色のこの小さなヤモリは、アラビア海に浮かぶイエメン領ソコトラ島に生息する。夜行性で、岩場などを素早く動き回るのが特徴だ。長い間別種のヤモリと同一視されていたが、今回晴れて新種と認定された。
調査に参加したパビア大学イタリアの生態学者ファビオ・プピン氏は、「これまで別種のヤモリと勘違いされてきたため、ラテン語で『勘違い』を意味する1語を入れて新しい学名を付けた」と話す。
その名も「ゲッコニダエ・ヘミダクティラス・イニテレクタス(Gekkonidae Hemidactylus initellectus)」。「勘違いされていたナキヤモリ」というような意味だ。
2007年から2009年にかけて行われた野外調査で、プピン氏らのチームは体長5センチ前後のこのヤモリに着目し、数匹を捕獲した。そして遺伝子および身体的特徴を標本として保管されている類似種のヤモリと比較した。その結果、捕獲したヤモリは、トカゲ亜目に属する他の種には見られない背中の大きなこぶなどが決め手となり、ソコトラ島の固有種であることが判明した。今回の調査結果は「Acta Herpetologica」誌の9月号に掲載されている。
プピン氏によると、今回新たに固有種が確認されたソコトラ島は、元々生物の固有性が驚くほど高く、そこに生息する爬虫類の95パーセントが、ほかでは見られない種だという。全長100キロにもおよぶソコトラ島はアフリカのソマリアにも近い。プピン氏が「海中の砂漠」と形容するこの島はおよそ600万年前に大陸から分離し、その後は孤立した環境が維持されてきた。そのため生物間の生存競争もほとんどなく、固有種の多さを誇るガラパゴス諸島に匹敵するほど、多様な生物種が繁殖できたのである。
今回新種と確認されたヤモリはスコトラ島のいたる所に姿を現すが、一方でその他の野生動物や野生植物の中には、人口の増加に伴ってヤギなどの飼育動物に生存を脅かされている種もいるという。プピン氏は、今回の調査結果がきっかけとなって、生物保全の必要性に対する理解がさらに高まることを願っている。
「新種が発見されたときこそ、世界中の人々が自然の偉大さを目の当たりにするチャンスだ。この地球上にどのような生物が生きているのかを知らなければ、それを守ることもできない」。
National Geographic News
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