古代、火山の噴火で森林が消滅した
2009年10月7日(水)17時57分配信 ナショナルジオグラフィック
有毒な酸性雨の被害を受けた樹木。1991年、チェコスロバキア北部の“黒い三角地帯”と呼ばれた汚染地域。 これと同様の樹木が生えず木食性菌類に満ちた光景が、約2億5000万年前の地球を支配していた。当時、火山の噴火で発生した酸性雨によって地球上のほとんどの生命が死滅した。Photograph by Tom Stoddart/Getty Images [ 拡大 ]
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「大絶滅」と呼ばれるこの大量絶滅の際には、海洋生物の95パーセント以上、陸上生物の70パーセント以上が失われた。これらの生物は、現在のシベリアを中心とする地域で長期にわたって続いた噴火によって噴出された有毒ガスの犠牲となったと考えられる。
この噴火によって地球全体に酸性雨が降り注ぎ、オゾン層を枯渇させ、そのために有害な太陽の紫外線が大量に地表を襲うようになった。
これまで、この大量絶滅時に植物に何が起きたのかを示す有力な物的証拠があまり発見されていなかったため、ペルム紀の森林は比較的無傷のまま生き残ったのであろうと多くの研究者は想定していた。しかし今回の研究によって、植物も大量に死滅していたことが確認された。
研究の主執筆者であるインペリアル・カレッジ・ロンドンの地球化学者マーク・セフトン氏は、「噴火の後、地球上は奇妙な緑の世界になっていただろう。ヒカゲノカズラのような原始的な植物とともに、大量の死んだ木で覆われていたのではないか」と語る。
そして、その後400万年の間、樹木が生えることはほとんどなかったが、、菌類は新たな酸性の世界に適応し、生き残ることができたのである。
ペルム紀(二畳紀)の大量絶滅期のものと思われる岩石中に見つかる菌類の胞子の化石を調べると、レドゥウィアスポロニテス(Reduviasporonites)と呼ばれる古代の有機体の集団が世界各地で急増したことがわかる。すでに絶滅したこの生き物が、光合成を行う藻類なのか木食性の菌類なのか、科学者は議論を重ねてきた。
この議論に終止符を打つべく、セフトン氏の研究チームはレドゥウィアスポロニテスに残された様々な種類の炭素と窒素を分析し、現生の菌類のものと照合した。その結果、この古代の有機体が食物の分解について、枯れ木を好んで食べる菌類と同様の生化学構造を持つことを発見した。
レドゥウィアスポロニテスが爆発的に増加したことは、大量絶滅時にかなりの数の樹木が死んで菌類のエサとなったことを示している。
現在でも同じように菌類に支配された場所がチェコにあるとセフトン氏は話す。これは、大量の褐炭が燃やされたことによって酸性雨が降り、広大な森林地帯が死滅することで、木食性菌類が急激に増殖したためである。
地球規模で見ると、人類の活動が地球大気を構成する気体のバランスを変えつつあり、「そのスピードは地質記録に見られるどの現象よりも速い」とセフトン氏は語る。
また、現在進行している生物多様性の減少は、ペルム紀の大量絶滅の初期段階に酷似しているという。「自然に反する大実験を人類は行っているのだ。その結末は誰にもわからない」とセフトン氏は述べている。
Kate Ravilious for National Geographic News
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