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海外総合

恐竜の種の3分の1は実在しなかった?

2009年10月13日(火)13時10分配信 ナショナルジオグラフィック

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 2009年10月に発表された研究によると、ティラノサウルス類を含む若い恐竜の化石の多くが個別の種と誤認されていたかもしれない。画像は若いT・レックスのコンピューターによる再現画像。 この説が事実だとすると、恐竜のすべての種のうち実に3分の1が実在しなかったことになるという。Photograph (c) NGC [ 拡大 ]

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 多くの恐竜が現在思わぬ形で絶滅の危機に瀕している。現在確認されているすべての恐竜の種のうち実に3分の1はそもそも実在しなかったとする理論が物議を醸しているのだ。

 この主張の理由は、若い恐竜の姿がその親のミニチュア版ではなかったからだという。カリフォルニア大学バークレー校のマーク・グッドウィン氏とモンタナ州立大学のジャック・ホーナー氏という二人の古生物学者が行った最新の分析でわかった。

 研究によると、子供の恐竜は鳥類やいくつかの他の動物の現生種と同様に身体が劇的に変化しながら成長していた。そのために、ティラノサウルス・レックス(T・レックス)の亜種など、若い恐竜の化石の多くが個別の種であると誤認されていたと両氏は論じている。

 ナノティラヌスという細身で優雅な姿をした恐竜がその典型的な例だ。ナノティラヌスは当初小型のティラノサウルス類と考えられていたが、現在では若いT・レックスの化石を誤認したものと考える専門家が多い。

 ナノティラヌスとされる化石は幼体のT・レックスに見えるとホーナー氏は最新の研究報告で述べている。その根拠は、T・レックスの頭蓋骨が成長過程で激変していたことにある。同氏によると、T・レックスの頭蓋骨は、細長い形から、大量の食料を取り込めるような短い鼻と顎を持つおなじみの形へと変形していった。

 しかし決定的な証拠となったのは、成体のT・レックスとナノティラヌスの中間に位置するサイズの恐竜が発見されたことだとホーナー氏は言う。ナノティラヌス(ホーナー氏の見解では若いT・レックス)は下顎に17本の歯があるのに対し、成体のT・レックスには12本ある。その中間サイズの恐竜は下顎に14本の歯があった。これは、その恐竜が若いT・レックスであること、そして、T・レックスの歯は成長の過程で刃物のような小さな歯から骨を噛み砕く臼歯へと徐々に生え変わっていき、本数も減っていったことを示している。

 また、グッドウィン氏とホーナー氏は成長の様々な段階で死んだトリケラトプスの化石も大量に収集した。これらはモンタナ州東部にある白亜紀後期(1億4550万〜6550万年前)のヘルクリーク累層から出土したものである。収集されたトリケラトプスの頭蓋骨は、大きな皿くらいのサイズから人間と同じくらいのサイズのものまで実に様々であった。

 この頭蓋骨を両氏が調査したところ、発見された中で最も若いトリケラトプスの小さくまっすぐな角が成長につれて変化していたことがわかった。子供のトリケラトプスの角が後方に曲っていたのに対し、大人は前方を向いていたのである。トリケラトプスの特徴であるえり飾りも変化していた。子供の頃は逆立った三角形の骨がえりを取り巻いていたが、大人になると平らに長く伸び、扇のような形の骨質の盾になっていた。

 グッドウィン氏は次のように語る。「この10年間のプロジェクトで、それまで誰も見たことがないほど素晴らしい成長過程の資料を集めることができ、このような変化が起きたことがわかった。角の向きなど、成長と共に起きた極端な変化をこれで実証することができた」。

 なぜ恐竜の身体がこうした劇的な変化をとげていたことの手掛かりは、恐竜に最も近い現生種である鳥類にあるのではないかと専門家は考えている。

 例えば、サイチョウがその特徴である兜(かぶと)のような突起が大人のサイズになるのは成長過程のおよそ4分の3を経てからである。この突起は、シカの角のように他のサイチョウが大人と子供のサイチョウを区別するのに役立つ。

 これと同じように、恐竜の見た目の変化も視覚的なコミュニケーションを促進していたのではないか。例えば、頭部の瘤(こぶ)や角はそこだけ色が異なっていて、これが視覚的な目印となり、同じ種の恐竜が互いを正確に識別することができたのかもしれない。

 また、その恐竜がオスかメスか、交尾の相手を探す繁殖能力のある成体か保護を必要とする幼体かもそのようにして識別していた可能性がある。

 ワシントンD.C.にある国立自然史博物館の古生物学者ハンス・ディーター・スーズ氏によると、アヒルのようなクチバシを持つ恐竜のいくつかの種が実は異なる成長段階にある同じ恐竜であり、実際の種の数は確認されていたものより少ないことが1970年代にわかったことがあるという。

 スーズ氏はこの研究に参加していないが、白亜紀後期の恐竜の種の一部が別の種の子供だと証明される可能性があることを認めている。同氏は、「多くの恐竜は、現在の多くの脊椎動物と同様、成長するにつれて見た目が大きく変化していった」と話すが、同時に「今回の研究の結論には議論の余地のあるものがある」と注意を促し、全体の3分の1もの種が再分類されると考えるのはおおげさだと述べる。

 実際、恐竜の“2回目の大量絶滅”が起こることをスーズ氏は疑っている。化石ハンターたちがひと山当てない限りありえないというのだ。「このような仮説の検証は困難だ。なぜなら、現在見つかっている化石だけでは資料が足りないからだ」とスーズ氏は語っている。

Brian Handwerk for National Geographic News

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