草食のクモを初めて確認
2009年10月13日(火)17時55分配信 ナショナルジオグラフィック
ハエトリグモの一種、バギーラ・キプリンギのメスの成虫がアカシアの木の芽を食べている。2007年撮影。 このすばしこいクモは、現在確認されている約4万種のクモの中で初めて確認された、ほぼ完全な草食性のクモであることが2009年10月発表の研究で明らかになった。Photograph by Robert L. Curry [ 拡大 ]
-PR-
1800年代の終わり頃、動物学者はこのクモをバギーラ・キプリンギ(Bagheera kiplingi)と名付けた。イギリスの作家ラドヤード・キップリングが1894年に出版した子供向け小説『ジャングル・ブック』に登場するヒョウにちなんだものである。
アリゾナ州ツーソンにあるアリゾナ大学の生物学者で、この研究を率いたクリストファー・ミーハン氏は次のように話す。「当時、博物学者はボロボロの死体標本しか持っておらず、このクモが何を食べるか誰にもわからなかった。しかしハエトリグモがネコのような動き方をすることは知っていたので、キップリングの小説に登場するすばしこいヒョウの“バギーラ”にちなんだ名前を付けることにしたのだろう」。
2001年から2008年にかけて、ミーハン氏の研究チームはメキシコ東南部とコスタリカ北西部の熱帯地域にあるハエトリグモの生息地で調査を続けていた。そして、アカシアの栄養豊富な芽をハエトリグモが食べているところを発見したのだ。
アカシアはアリの住処でもあり、このアリは空洞になっているアカシアのトゲの中に住んでいる。これは古くから知られている共生の一例で、アカシアがアリに住処とエサを提供する代わりにアリがアカシアを守っているとミーハン氏は言う。
しかし、忍び足で素早く動き回れるバギーラは、きわめて攻撃的なこのアリを避けつつトゲからトゲへと飛び移ってエサを集める術を身に付けた。時にはアリの幼虫をつまみ食いすることもあるが、食べ物の大半は植物だとミーハン氏は語る。「このように効果的な戦略で植物を獲るクモがいたとは、まったく超現実的な思いだ」。
この研究は2009年10月12日発行の「Current Biology」誌に掲載されている。
Matt Kaplan for National Geographic News
「モノニクス・オレクラヌス」の詳しいプロフィールはこちら »
■ 関連コンテンツ
・パプアニューギニア、クモの新種
・科学者も驚くクモの“蘇生”能力
・死闘! ミツバチ VS. ハエトリグモ (動画)
・コウモリをエサにするクモ (動画)
・獲物を誘惑するクモの「職人技」
ナショナルジオグラフィック 動物最新ニュースはこちら »