太陽系外の惑星32個を新たに発見
2009年10月20日(火)17時1分配信 ナショナルジオグラフィック
さそり座内の三重連星の1つ、グリーゼ667Cを公転する惑星のイメージ図。この惑星は地球の6倍の質量があるという。遠くには2つの伴星が輝いている。 2009年10月に発表された報告によると、過去5年間に、この惑星をはじめとして32個の太陽系外惑星が発見されたという。確認済みの太陽系外惑星は400を超えることになった。New-planet picture courtesy ESO/L. Calcada [ 拡大 ]
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観測チームによると、新たに確認された32の惑星の質量は、地球の5倍から木星の8倍(地球の2500倍)までとかなりの幅があるという。惑星が公転している恒星にもさまざまなタイプがあり、惑星形成に関する既存の学説では説明できないケースもあるようだ。
観測チームは、「平均すると宇宙の全惑星系の40〜60%に低質量惑星が含まれている可能性がある」と結論付けている。低質量惑星は大きさも地球によく似ている可能性が非常に高いため、地球外生命探査の最有力候補になると考えられている。
観測チームの一員でスイスにあるジュネーブ天文台のステファン・ユードリー氏は、次のように話す。「コンピューターモデルに基づくと、地球に似た低質量惑星数は従来の予想をはるかに上回ると考えられる。地球型惑星はありふれた存在と言えるだろう。“自然は真空を嫌う”とアリストテレスが言ったように、惑星が占めるべき空間があるなら、そこに惑星が置かれるようになっているはずだ」。
32の新惑星は、チリのラ・シヤにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)にある分光器という観測装置を用いて過去5年の間に発見されたものだ。正式名称を「高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)」というこの分光器は、恒星の軌道に生じるわずかな“ゆらぎ”を検知する。未知の太陽系外惑星の引力によって生じる変化だ。HARPSの観測チームは太陽型の恒星や低質量の矮星(わいせい)を選び出し、軌道に生じるゆらぎの詳細な観測を続けた。
観測チームの一員でポルトガルにあるポルト大学のヌーノ・サントス氏は、「赤色矮星が観測対象となった。質量が小さく明るさも弱いため、低質量の周回惑星が引き起こすゆらぎを検知するのが比較的容易だからだ」と話す。
新しく発見された32個の太陽系外惑星の中には、スーパーアース(巨大地球型惑星)と呼ばれる地球によく似たタイプもいくつか存在する。その内訳は、地球の5倍程度の質量が2個、およそ6倍が2個だという。最大クラスは巨大なガス惑星で、木星の7〜8倍の質量があると推測されている。また、木星クラスの質量を持つ惑星が、金属をあまり含まない恒星の周囲を公転しているケースもいくつか確認された。
これまでの学説では、金属含有量の低い恒星の周囲で惑星が形成される可能性は低いと考えられていた。惑星は、誕生したばかりの若い恒星が残した金属を含むちりや破片の渦、“惑星形成円盤”の内部で形成されるとされていたのである。
しかし今回の発見により、惑星形成理論の修正が迫られるかもしれない。宇宙に存在するとされる恒星系の種類も増える可能性がある。「32の新惑星の詳細については順次公開していく予定で、その一部は半年後には発表できる予定だ」とユードリー氏は話す。
確認済みの太陽系外惑星はおよそ400個で、HARPSによる発見は今回の32個を入れて総計で75個となる。例えば、HARPSの観測チームは以前にも、太陽系からおよそ20.5光年離れた赤色矮星グリーゼ581(Gliese 581)の周囲を公転する低質量惑星をいくつか発見している。特に、その中の惑星グリーゼ581cは、「太陽系外で生命が生息する可能性を持つ地球型惑星の初発見か」と注目を集めた。
32個の系外惑星で生命が存在する可能性はあるのだろうか。観測チームは、まだ答えを出せる段階にないとしている。ユードリー氏は次のように話す。「HARPSでの観測だけでは詳細の判断は非常に難しい。大きさは地球クラスなのか、その位置は恒星系内のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内なのか、正確な測定には次世代の視線速度観測装置が必要となる。ただし、そのような装置もあと5年もすれば誕生するだろう」。
James Owen for National Geographic News
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