オリオン座流星群、極大期に
2009年10月21日(水)17時8分配信 ナショナルジオグラフィック
夜空を駆け抜けるハレー彗星。チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)で1986年1月9日に撮影された。 毎年恒例のオリオン座流星群、今年の極大期は10月21日となる。この流星群は、ハレー彗星から放出された細かなちりが発生源である。Photograph courtesy NOAO/AP [ 拡大 ]
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アメリカにあるテキサス大学オースティン校の天文学者アニタ・コクラン氏は事前のインタビューで、「流星が最も活発になる極大期は10月21日の夜明け前(日本時間21日23時ごろ)に訪れ、1時間に20〜25個の流星を観測できる」と話している。
極大期当日を逃してしまっても心配は無用だ。地球は現在、ハレー彗星の軌道上を流れる広大な“ちりの帯”の中に入っているため、数日間は夜空の天体ショーを楽しめる。
この流星群の名前は、オリオン座の近くから放射状に流れることに由来している。アメリカ、シカゴにあるアドラープラネタリウムの天文学者マーク・ハマーグレン氏は次のように解説する。「天の赤道上に出現するオリオン座は、地球上のどの地点からでも観測できる。この時期はオリオン座は世界各地で現地時間の午後11時頃に昇り始めるため、夜半過ぎに観測するのがベストだ」。
また、前出のコクラン氏によると、今年は流星群を観測する絶好の機会だという。「流星は月が明るすぎると観測が困難になるが、今年は新月の直後に極大期を迎えるという幸運に恵まれている。月明かりも弱く、しかも日没から程なくして沈んでしまうため、例年より条件が良い」。
ハマーグレン氏とコクラン氏はともに、ネオンなどの照明に邪魔されない郊外で観測することを勧めている。事前に暗闇に目を慣らしておくことも重要だ。
オリオン座流星群の正体は、ハレー彗星の軌道に乗って太陽系を周回している細かな“ちり”である。
1700年代初頭、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーは、肉眼でも観測できるこの天体が約76年ごとに地球に接近する周期彗星であることを突き止め、次の回帰時期を初めて正確に予測した。ハレー彗星は彼の功績を称えて命名された。
この彗星の目撃例は古くから各地の記録に残されている。例えば中国の歴史書「史記」の始皇本紀には紀元前240年ごろの出現が記録されており、11世紀のノルマンディー公によるイングランド征服を描いた有名な「バイユーのタペストリー」にも、彗星出現に騒然とする人々が刺繍されている。
しかし、流星群出現の周期性が確認されたのは1800年代以降のことで、彗星との関連まで判明したのはさらに後のことである。
テキサス大学が運営するマクドナルド天文台で研究活動を行うコクラン氏は、彗星について次のように解説する。「基本的に、約45億年前の惑星形成時に残されたちりと氷で構成されている。比率はおおむね1対1だ」。
彗星が内太陽系(水星から火星、小惑星帯の領域)に入ると、太陽熱を受けて一部の氷が昇華し、その氷でつなぎ止められていた岩片がこぼれ落ちることになる。「しかしそれらの岩片は消失せず、彗星の軌道上を流れる“ちりの帯”となる。地球がその帯の流れに差し掛かると、ちりが上層大気と衝突して発光する。それが流星だ」と同氏は説明する。
ハマーグレン氏によると、通常、彗星から放出されたちりは砂粒大だが、重力の影響でそれらが塊になり、何百年もまとまって移動を続ける場合があるという。塊は彗星が太陽に接近した際に形成されるため、地球がちりの塊の中を通過する可能性は彗星が地球に再接近する時期が最も高く、その年に流星群が活発化するのである。
例えば地球は来月、テンペル・タットル彗星から放出されたちりの塊の中を通過すると予測されている。このため、ここ数年は鳴りをひそめていたしし座流星群だが、今年は活発化が期待され、1時間に500個もの流星を観測できる可能性があるという。
「しかし、ハレー彗星は現在、遠日点(太陽から最も遠ざかる位置)の辺りを移動しているため、今年のオリオン座流星群はちりの塊とは関係がない。とはいえ、ハレー彗星の名残を目にする絶好の機会であることは間違いなく、愛好者は今年も期待しているはずだ」とハマーグレン氏は話している。
Victoria Jaggard National Geographic News
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