藻の粘液で海鳥が大量死、米太平洋岸
2009年11月2日(月)15時33分配信 ナショナルジオグラフィック
アメリカ北西部の太平洋岸に、泡立つ粘液にまみれた何百羽もの海鳥が打ち上げられている。写真はそのうちの1羽で、2009年秋にオレゴン州の海岸で撮影されたアビの仲間。この粘液は、海中で大量発生した藻から生まれたもので、鳥の羽毛に付着すると、羽毛の防水性が損なわれるという。 粘液の原因となる藻の大量発生は、栄養豊富な海水が深層から表層に湧き上がる「湧昇」と呼ばれる現象や海水温の異常な上昇など、海水中の条件がいくつか揃えば自然に起きるが、最近ではそれが以前よりも大規模化かつ長期化し、また頻繁に起きているという。Photograph courtesy P. Chilton/COSST [ 拡大 ]
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国際鳥類救護研究センター会長のジェイ・ホルコム氏は次のように語る。「人が水を浴びせられて全身に石鹸を塗りつけられたら、体中ずぶ濡れでヌルヌルになってしまう」。つまりこれが、防水性を奪われた海鳥の身に起きていることだ。「海鳥たちはずぶ濡れで凍えてしまい、海岸に上がらざるを得なくなる。そして体温が低下したりワシなどに捕食されたりして、何百羽もの海鳥が死んでしまった」。
カリフォルニア州フェアフィールドにある同センターには、粘液まみれの海鳥がこれまでに500羽近く移送されている。同施設は石油流出の被害を受けた海岸の野生生物の保護を目的として設置されたものだが、藻の粘液で傷ついた鳥も数多く保護し、野生に戻している。このほかにも、オレゴン州とワシントン州にある施設でも数百羽の鳥が現在も手当を受けている。
粘液の原因となる藻の大量発生は石油の流出とは異なり、栄養豊富な海水が深層から表層に湧き上がる「湧昇」と呼ばれる現象や海水温の異常な上昇など、海水中の条件がいくつか揃えば自然に起きる。
最近では、藻の大量発生は以前よりも大規模化かつ長期化し、また頻繁に起きていることが明らかになっている。例えば前出の救護研究センターがその40年の歴史の中で、藻の粘液の被害を受けた海鳥を初めて保護したのは2007年になってからのことだった。
これは地球温暖化による海水温の上昇と関連があるのではないかとホルコム氏は推測する。「近年、湧昇は以前とは異なる時期に発生していることが証明されつつある。その原因は海流と気候の変化だ」。
John Roach in Seattle, Washington for National Geographic News
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