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海外総合

セサミストリート40年:軌跡と広がり

2009年11月6日(金)17時27分配信 ナショナルジオグラフィック

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 2002年、記者の取材に答える南アフリカ版「セサミストリート」のマペット「カミ」。HIV陽性で、自然と、おしゃべりと、色々な物を集めることが好きだという。Photograph from AP [ 拡大 ]

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 11月5日、GoogleのトップページでクッキーモンスターがGoogleロゴを平らげようとしていた。その前日はビッグバードの大きな足だった。子ども向けテレビ番組「セサミストリート」が放送開始から11月10日で40周年を迎えることを記念したものだろう。

 しかし多くの国々では、現地向けに製作された別バージョンの「セサミストリート」が放送されており、クッキーモンスターやビッグバードのようなアメリカ版の主要キャラクターはほとんど知られていない。

 非営利プロダクション「セサミ・ワークショップ」によって製作されているこの人気番組は、各国の実情に合わせて作り替えることで世界へと広がっていったのだ。現在、セサミストリートは世界各地で140のバージョンが放送されているが、それぞれが放送されている地域の文化や対立を反映し、登場するマペットも視聴者である子どもたちに合わせて特別に作られている。

 例えば南アフリカでは、現在百数十万人の子どもたちがエイズ(AIDS)のために孤児となっているが、南アフリカ版のセサミストリート、「Takalani Sesami」(“Takalani”は「楽しくいこう」の意味)には、ピンクの鼻を持つオレンジ色をしたHIV陽性の女の子のマペット「カミ」が登場し、子どもたちのエイズ教育に一役買っている。

 また、バングラデシュ版の「Sisimpur」(“Sesami”と、ベンガル語で小さな町あるいは村を意味する“pur”をつなげた名前)では、おさげ髪をした紫色の「トゥクトゥキ」が男の子と女の子は平等だという昔ながらのセサミストリートの教えを説いている。

 日本では、紫色のフワフワの飾りをつけた緑色のマペット「モジャボ」がおかしな話を早口でまくしたてて子どもたちを大笑いさせている。

『Street Gang: The Complete History of Sesame Street(ストリートギャング:セサミストリート全史)』の著者マイケル・デービス氏は、セサミストリートの価値を高めている要因の一つとして、異文化に対して開かれていることを挙げる。「アメリカの価値観と気質に彩られたアメリカ流の考え方を、異文化に頭ごなしに押し付けようとしていない。その代わりに、その国の実情を調査した上で、楽しいと同時にためになる子ども番組を作るという基本理念を持っている。そうして、その国の文化に固有の特徴を見極め、それに基づいて番組を作っていく」。

 またデービス氏は、セサミストリートの製作者は常に世界の現状を捉えた番組を作る努力もしていると指摘する。今の子どもたちが見ているセサミストリートは、多くの大人たちが記憶しているものとはいささか異なっている。「つい先頃、イラクやアフガニスタンに出征した親を持つ家族や、戦地で怪我を負って身体に障害が残っている親を持つ子どものための番組DVDが製作された。子ども向けメディアとしては画期的だと思う」。

 この番組の先進性を示すもう一つの例としてデービス氏が挙げるのが、2009年11月中旬から始まるセサミストリートの新シーズンで“持続可能な生活”の基本理念が子どもたちに紹介されることである。

「これは自然や世界を意識させるために組まれたカリキュラムのようなもので、まさに今の時代に即している。この番組は、今もなお時代精神の理念を的確に捉えている」。

 デービス氏によると、アメリカでは当初、「セサミストリート」は貧しい家庭の未就学児を対象として作られたという。「当時、裕福な家の子どもとそうでない子どもとの間で、学校での勉強に必要な基礎知識のレベルに大きな差があることが教育者や研究者に知られるようになっていた」。

 しかし、「セサミストリート」はまたたく間に成功を収め、あらゆる階層の親子にたちまち受け入れられた。

 デービス氏は次のように評価する。「小さな子どもにも多くのことを学ぶ能力があり、多くのことを覚える能力があるというのが1970年代に人々が得た教訓だった。セサミストリートはそんな革命の一部だったのだ」。

Ker Than for National Geographic News

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