■乱射追悼式出席へ アフガンの影重く
12、13日に予定されていたオバマ米大統領の訪日が13、14日にずれ込むことが7日決まった。フォートフッド陸軍基地(テキサス州)銃乱射事件の追悼式典に大統領が出席するため、米政府が変更を要請してきた。
鳩山由紀夫首相と大統領の首脳会談は当初予定通り13日午後に行い、12日夕に予定されていた首相との夕食会を13日夕に開く方向で調整している。大統領の離日が14日にずれ込めば、シンガポールで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の日程にも影響しそうだ。
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【ワシントン=有元隆志】オバマ米大統領がフォートフッド陸軍基地で起きた乱射事件の追悼式出席のため、12日から予定されていた訪日日程の変更を日本側に要請したのは、アフガニスタンへの米軍追加派兵に関する決定を前に、アフガンへの派兵の拠点である同基地でおきた事件で米国内に動揺が広がるのを防ぐねらいがある。同時に米兵の士気の維持に最大限の配慮を示した格好だ。
オバマ大統領は7日のラジオ演説で乱射事件をとりあげ、「あらゆる人種、信仰が米国の多様性を示しているが、共有しているのは愛国心であり、国への献身だ」と強調した。さらに11日の「退役軍人の日」まで全米で半旗を掲げて喪に服することも国民に呼びかけた。事件から一夜明けた6日にはワシントン市内のウォルターリード陸軍病院を訪れ、イラク、アフガンでの負傷兵を見舞った。
ブッシュ前政権から引き継いだアフガンでの戦いを「必要な戦争」と訴えるオバマ大統領は就任直後に増派に踏み切ったが、戦況は好転していない。10月の米兵の死者数は55人と2001年の開戦以来最悪だった。戦死者の増加、高まる世論の反対など、「ベトナム(戦争)化」しつつあるとの見方も増える。先月のCNNテレビの世論調査で、増派反対は59%に上った。
一方で、イスラム原理主義勢力タリバンの勢力拡大を防ぐため、アフガン駐留米軍のマクリスタル司令官は4万人規模の追加派兵を求めている。しかし、バイデン副大統領らは大幅な増派に反対する。アフガン大統領選の混乱も加わり、オバマ大統領はいまだ増派決定を発表できずにおり、決断が遅いとの批判は共和党などから強まっている。
今月はじめのギャラップ社の世論調査でオバマ大統領の支持率は53%と、当選から1年後の支持率としてはクリントン元大統領に次ぐ2番目の低さとなった。 軍の最高司令官として正念場を迎えているオバマ大統領は、懸案事項で実質的な進展の見込めない日本との協議に時間をかけるより、米国内の結束強化を優先したともいえる。