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 7月5日深夜に、アニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』(フジテレビ系)の放送がスタートした。原作は小学館発行の『別冊少女コミック』で、1985年から9年ほど連載されていた、少女漫画の不朽の名作である。

 少年たちがニューヨークを舞台に、謎の言葉「バナナフィッシュ」をめぐってマフィアと闘争を繰り広げる。さらにはドラッグや激しい性暴力シーンなども描かれる同作は、少女漫画雑誌で掲載されていたとは思えない、かなりハードな物語だ。連載当初から爆発的な人気で、映像化を長く熱望されていただけに、今回のアニメ化は、非常に注目度が高かった。

 主人公のアッシュ・リンクスは、金髪で緑の目をした端正な顔立ちで、類まれなる戦闘能力を持ち、17歳という若さでストリートギャングのボスに君臨していた。

 ある夜、アッシュは、路地裏で銃撃された男と出会う。その男は、死に際に「バナナフィッシュ」とつぶやき、ペンダントロケットをアッシュに託した。男が口にしたその言葉は、元軍人で、現在はドラッグのために廃人同然となったアッシュの兄が、うわ言のように口にしている言葉と一緒だった。

 そんな折、アッシュは、日本からストリートキッズの取材にやってきた日本人カメラマンと、そのアシスタントである大学生の奥村英二と出会う。英二の素直さにひかれ、少し心を許したアッシュは取材を受け入れるが、そこへアッシュと敵対する者たちが奇襲をかけてきて、アッシュの仲間である黒人の少年スキップと英二が車で連れ去られてしまうのだった……。

 今回のアニメは、とても丁寧な作画で見応えは十分。特にキャラクターたちをリアルに感じられる演出が見事だった。冒頭でアッシュがひっそりと路地裏を歩くシーン、彼は服のフードを目深に被っている。おそらく人目を避けて、目立つ金髪をフードで隠していたのだろう。これは、危険な街で、ストリートギャングとして生きる様子が感じられる貴重なワンシーンだった。

 ラストに、アッシュが英二とスキップを連れ去る車を追いかけ、走り去る車に銃を放つシーンがあるのだが、冷静に息を整えて狙いを定めるアッシュの姿は、思わず見ているこちらも息を止めてしまうくらいの緊張感を与えてくれた。スピード感だけではなく、呼吸すらも感じることのできる生きた演出に、思わず引き込まれた瞬間だった。

 原作では設定が80年代だったが、アニメでは現代が舞台となっている。そのため、ネット上では賛否両論となっているが、私は制作陣がそこをどう生かしていくのかが非常に楽しみである。少女漫画原作で、金髪美少年のギャングボスと日本人少年がメインキャラとなると、BL的展開になってしまいそうだが、この作品は、原作がハードアクションと友情の物語であるため、今後も純粋なバディものとして楽しませてくれることを切に願う。

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