菅首相が目論む「同期のため」解散 10.21任期満了で永年在職表彰の“贈り物”を画策

菅首相が目論む「同期のため」解散 10.21任期満了で永年在職表彰の“贈り物”を画策

♪ 貴様と俺とは… ♪(左から山口泰明選対委員長、佐藤勉総務会長、菅義偉総裁、二階俊博幹事長、下村博文政調会長)/(C)日刊ゲンダイ

 国民の不安を無視して菅首相が東京五輪を強行するのは、秋の解散・総選挙をにらんだ政権浮揚策とされる。「反対していても五輪が始まれば国民は熱狂する」と考えているのだ。そのため、9月5日にパラリンピックが閉会した直後、高揚感が冷めないうちに臨時国会を召集して衆院解散、10月に投開票という日程が有力視されてきた。

 だが、菅首相の本命は「任期満了選挙」という説がある。過去に衆院議員の任期満了選挙は1976年の1回だけ。当時の三木武夫首相は惨敗した。歴代首相は任期満了間際の「追い込まれ解散」を避けてきたのだが……。

「1996年10月20日に行われた第41回衆院議員選挙で初当選して以来、8回連続当選を重ねてきた菅総理と同期が、ちょうど在職25年を迎えます。国会議員は在職25年以上で永年在職表彰される。今の衆院議員の任期が10月21日までですから、同期が在職25年を迎える日を待って、任期満了の10月21日に衆院を解散するというのです。9月中に解散すると、落選や引退する同期は永年表彰を受けられない。同期を大切にする菅総理らしいシナリオです」(自民党中堅議員)

 菅首相は昨年、自民党総裁に選ばれた直後のあいさつで、わざわざ「当選同期のみなさん」と呼びかけて謝意を示した。組閣人事でも厚遇。田村憲久厚労相、河野太郎行革相、平沢勝栄復興相の同期3人を閣僚に起用した。

 さらに、党役員人事でも、党4役のうち佐藤勉総務会長、下村博文政調会長、山口泰明選対委員長の3人が初当選同期だ。山口は途中で落選経験があるため今年は永年表彰の対象外だが、ほかには竹本直一前IT担当相など、自民党では計10人が今年10月で満25年を超える。

■国会内に肖像画

 2018年には安倍前首相や岸田文雄前政調会長、野田聖子幹事長代理、共産党の志位和夫委員長ら1993年初当選の同期組13人が在職25年を迎え、衆院本会議で永年在職表彰。現職首相の永年表彰は福田赳夫以来41年ぶりで、政界で話題になったものだ。

 永年表彰を受けると、衆議院議長から表彰状が贈られ、自費で作製した肖像画を国会内に掲示することができる。

 コロナ対策最優先を口実に、菅首相が任期満了まで解散を先送りしたなら、それは“同期のため”ということだろう。

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