自民党ベテラン議員続々引退も…後継は世襲だらけの“出来レース”でウンザリ

自民党ベテラン議員続々引退も…後継は世襲だらけの“出来レース”でウンザリ

自民党はすっかり世襲天国(左から塩崎恭久、山口泰明、吉川貴盛3議員)/(C)日刊ゲンダイ

 自民党ベテラン議員の引退表明が相次いでいる。現役最年長の伊吹文明元衆院議長(83歳・京都1区)が先月、自身やスタッフの高齢を理由に秋までに行われる総選挙に出馬しない考えを表明。塩崎恭久元官房長官(70歳・愛媛1区)も引退を決めた。党4役の山口泰明選対委員長(72歳・埼玉10区)も今期限りで引退すると正式発表。選対委員長は衆院選まで続けるという。

「次男を確実に後継にするため、公認決定に影響力のあるポストにとどまるつもりでしょう」(自民党本部関係者)

 山口氏だけではない。伊吹氏は「国会議員の職は主権者の主権を預かっており、個人のものではない」と世襲を否定して、後継に京都府庁出向経験のある総務官僚を擁立したが、他はどいつもこいつも世襲狙いだからウンザリしてしまう。

「塩崎さんは一応、後継選びは公募の形を取りましたが、長男で弁護士の彰久氏が応募していて、出来レースの感が否めません。アキタフーズ社からの現金受領で議員辞職した吉川貴盛元農相(70歳・北海道2区)も北海道議の長男を出馬させたがっているし、西川公也元農相(78歳・栃木2区)も県議の長男に地盤を譲ろうとして、公募で別の候補者に決めた地元県連とモメています」(前出の関係者)

■菅首相の持論「世襲制限」はどうなった?

 野党でも、引退を発表した立憲民主党の荒井聡元国家戦略相(75歳・北海道3区)の後継は長男だ。

 歌舞伎役者じゃあるまいし、世襲だらけではロクなことにならないのは、安倍前首相や麻生財務相を見れば明らかだ。

 かつては自民党内にも「世襲制限」の議論があった。その急先鋒だったのが菅首相だ。自民党が下野した09年の総選挙に選対副委員長として臨んだ菅は、党内の世襲政治家から猛反発をくらいながらも「3親等以内の親族の引退直後に同じ選挙区から出馬する候補は公認しない」という世襲制限をマニフェストに盛り込むべきだと強硬に主張していた。

「自分は叩き上げだという自負があったのでしょう。世襲候補が一概にダメというわけではないが、少なくとも予備選をやるとか、非課税相続の温床になっている資金管理団体を清算するなど対策を講じる必要がある。首相になった今こそしっかり世襲制限に取り組んで欲しいですが、二階幹事長や麻生氏も息子への世襲を望んでいるといわれ、党内基盤の弱い菅首相は世襲批判を封印してしまいました」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 おかげで自民党はすっかり世襲天国。有権者はいつまで選挙区の私物化を許すのか。

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