菅首相の不出馬・辞任意向で注目 石破茂元幹事長の動向と自民党総裁選の勝算

菅首相の不出馬・辞任意向で注目 石破茂元幹事長の動向と自民党総裁選の勝算

派閥の会合でもダンマリ(石破茂元幹事長)/(C)日刊ゲンダイ

 菅首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことで、動向に注目が集まっているのが石破茂元幹事長だ。総裁選に出るのか、出ないのか。9月3日の時点では態度を明確にしていない。世論調査で国民の支持を集める石破氏が出馬すれば、総裁選の構図がガラリと変わる。

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 政界では、石破氏が1日に青木幹雄・元官房長官と面会したことが話題になっている。竹下派に隠然たる影響力を持つ青木氏は、安倍前首相との一騎打ちになった2018年の総裁選で石破を支援した経緯がある。

 報道によれば、石破氏は青木氏に対し「今回は迷惑をかけません」と伝えたという。この発言は「出馬見送り」と党内で受け止められているが、どうなのか。

「国民の期待が高い石破さんのもとには、若手議員や党員から『総裁選に出て欲しい』という声が殺到しているようですが、そう簡単な話ではない。石破さんが出馬すれば、すでに立候補を表明している岸田元外相と票を分け合い、菅総理が有利になるだけだったからです。安倍前政権からずっと非主流派で、冷や飯を食わせてきた石破派メンバーに対して『自分のせいで申し訳ない』という気持ちも強く、負け戦と分かっていて出馬するわけにはいかないでしょう。総裁選前に青木さんと会ったのも、派閥メンバーに活躍の場を与えるため、将来的には竹下派との合併も視野に入れてのことではないか」(自民党ベテラン議員)

 菅首相は6日にも党役員人事と小規模な内閣改造を断行する予定だった。党内で日増しに大きくなる「菅降ろし」の声に対抗するためだ。“選挙の顔”として石破を幹事長などの要職に起用することも検討されていたという。人事の打診を石破が受ければ、総裁選への出馬はなかっただろう。

■今はタイミングではない?

 2日に開かれた石破派の会合でも、総裁選への対応について意見が交わされたが、結論は出なかったという。石破氏も自身の思惑や態度について語らず、「派閥として一致団結して総裁選に臨む」ことが確認されただけだった。

「石破氏は当初から『総裁選より臨時国会』と訴えていて、今は総裁選に手を挙げるタイミングではないと考えているのでしょう。もし打診があれば、挙党一致で国難を乗り切るために、党役員や閣僚として菅内閣を支えることを選ぶ可能性は高かった。ただ、誰が次の総裁になっても秋の衆院選は自民党にとって厳しい戦いになります。混乱が続き、本当に窮地に陥った時には、国民人気が高い石破氏の出番だという見方が根強くあるのは事実です」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 今回は出馬を見送り、次のチャンスに備える作戦か。それまでに国会議員の間で支持が広がれば総理総裁の目もあるのだろうが、国民人気だけでは総裁選に勝てないことを誰よりも石破氏が知っているはずだ。

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