20年前より交通量減でも「第二東京湾岸」計画再始動の裏側

20年前より交通量減でも「第二東京湾岸」計画再始動の裏側

「渋滞解消」は今は昔(C)共同通信社

18年間も凍結されていた東京と千葉を結ぶ第二東京湾岸道路の建設計画が再び動きだしている。

 1月17日、森田健作千葉県知事は石井啓一国交相に会い「第二東京湾岸道路を軸とした道路ネットワークは渋滞解消につながる。人と物の流れがスムーズになる」と建設計画の具体化を要望。石井大臣も「第二湾岸を中心とした湾岸地区道路の検討会を設置して検討を加速したい」と前向きな答えを返した。

 第二湾岸道路は首都高速湾岸線のさらに東京湾側に計画された首都圏の環状高速道路。沼田武千葉県知事時代に計画が持ち上がり、1994年に国土省が地域高規格道路の候補路線に指定した。

 ところが、第二湾岸道路のルートは、東京湾奥部の市川市、船橋市の沖合に広がる干潟の三番瀬を埋め立て、そのど真ん中を通る計画だった。三番瀬は魚類や渡り鳥の貴重な生息地として、環境省が「日本の重要湿地500」のひとつに指定した地域。そのため全国から埋め立てに反対する運動が起き、2001年春の県知事選で三番瀬の埋め立て白紙撤回を公約にした堂本暁子候補の当選で埋め立て計画は中止され、第二湾岸道路の建設計画は事実上凍結状態になっていた。それが今なぜ再浮上してきたのか。丸山慎一千葉県議(共産)がその背景を説明する。

「東京外環道の千葉県区間が開通し、現在工事中の北千葉道路、圏央道が完成すると県内の大規模道路の建設工事が終わり、その先の大型道路建設がなくなる。大手ゼネコン、県内財界に国と県が押され動いたのが、計画を再始動させた背景です」

■当時より2割近く減

 さらに、交通渋滞の緩和を建設理由にする議論についても、丸山県議は強く否定する。

「1997年のことです。第二湾岸道路の必要性について議論した時、県の土木部は資料を基に、『現在湾岸主要6路線の交通量は45万7000台。これが将来およそ20年後には59万4000台になる、だから必要だ』と主張してきました。ところが、2015年の資料では実際の交通量は38万8000台と、20年後の今は当時より2割近く交通量が減っているんです。渋滞緩和という第二湾岸道路建設の理由は、後付けの詭弁としか言えません」

 三番瀬の埋め立て反対、保全に取り組んでいる三番瀬を守る連絡会の中山敏則代表世話人が言う。

「湾岸地域の交通渋滞は、車線増設、地下立体化、交差点の右左折レーンの設置などの道路改良でほぼ解消されています。第二湾岸道路を造る必要は全くなくなっているのです。三番瀬は野鳥の聖域です。三番瀬を埋め立てる道路計画には絶対反対です」

 交通量の将来予測を大きく見誤った無謀な道路計画に、巨額の資金をつぎ込むのはあまりに現実離れしてはいないか。

(ジャーナリスト・木野活明)

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