地元福岡から始まる麻生降ろし 県知事選惨敗で“追放”危機

地元福岡から始まる麻生降ろし 県知事選惨敗で“追放”危機

「必勝」を期していたが…(麻生副総理と新人・武内和久候補)、右は3選を決めた小川洋氏/(C)共同通信社

麻生副総理と二階幹事長の“遺恨試合”だった福岡県知事選が7日投開票されたが、自民推薦で麻生氏が支援した新人・武内和久氏(47)が、現職で二階派などが推した小川洋氏(69)に95万票もの大差をつけられ大惨敗を喫した。

 もともと、麻生氏が安倍首相に直談判し、武内への党本部推薦を強引に取り付けた経緯があり、自民県連は深刻な保守分裂に陥っていた。武内は選挙中から大きく水をあけられていたが、トドメとなったのは麻生派の塚田一郎前国交副大臣の「忖度発言」だった。よりによって武内の応援集会で、麻生氏の地元に近い北九州市と安倍首相のお膝元・下関市を結ぶ道路計画について、麻生氏の子分の塚田が「新年度の予算で国直轄の調査計画に引き上げた」と自慢げに明言したのだから、たまらない。しかも、辞任後の麻生氏の対応が最悪で評判を一段と下げた。

「公文書改ざんやセクハラ容認発言を巡る傲慢な発言がもとで、ただでさえ県内での麻生さんの評判は悪かった。さらに、塚田氏の辞任決定後の会見で麻生さんが、『もっと大きな声で言えや』『さっき言ったじゃないか』と報道陣を恫喝する様子がテレビで放送され、支持離れに拍車がかかりました。『福岡の恥』とまで言う県民もいるほどです」(地元記者)

 投開票前日の6日、麻生氏は武内の応援で福岡入り。天神など繁華街3カ所で演説に立ったが、塚田の忖度発言には一切触れずじまい。特段、ヤジも飛ばず、麻生氏は終始満面の笑みだったが「聴衆のほとんどが動員」(地元記者=前出)だというから情けない。さらに、福岡県政関係者の不満もくすぶっている。

「今回の保守分裂の引き金を引いたのは麻生さん本人です。県政自民関係者の中には、本当は小川支持なのに面従腹背的に武内支援を強いられた人も多い。相当な不満が募っています」(福岡県政関係者)

■地元重鎮による“包囲網”

 そもそも、山崎拓元副総裁や古賀誠元幹事長ら県内の重鎮に加え、現職で二階派の武田良太衆院議員(福岡11区)ら「反麻生派」が昨年から小川支持に回っていた。麻生氏と関係が悪い小川氏を取り込み「麻生包囲網」を敷いていたのだ。

 今回の武内の大惨敗で「麻生さんは追いやられ、県政に居場所はなくなる」(県政関係者=前出)とみられている。「県連を混乱させた責任を取る形で、麻生さんが副総理の辞任を表明、それを安倍首相が慰留するというシナリオが出来上がっている」(同)といった話まで飛び交っている。それくらいのことをしなければ、保守分裂を招いた麻生への地元関係者の怒りは収まらないということだ。すっかり四面楚歌状態の麻生氏。地元から“追放”される日もそう遠くあるまい。

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