滞る国会内の新陳代謝 普通の人が挑戦しにくい仕組み

滞る国会内の新陳代謝 普通の人が挑戦しにくい仕組み

国会内の新陳代謝が滞っている(C)日刊ゲンダイ

【ここが変だよ日本の選挙】(2)

 投票に行かない有権者は、なぜ増えたのだろうか?

 政府系公益財団法人の調査によれば、衆院選で実際に棄権した人たちにその理由を尋ねると、「適当な候補者も政党もなかった」という回答の高止まりが目立つ。つまり、託したい政治家や政党がないから投票しなかったということだ。

 その結果、国会内の新陳代謝が滞っている。衆院選小選挙区の勝者が、次の選挙でも小選挙区で勝ち上がる比率を調べてみた。すると、2012年の小選挙区勝者の87%が、14年の選挙でも小選挙区で勝っている。17年では81%だ(表)。

 比例復活も含めると、比率はそれぞれ95%と88%にまで上がる。新規参入が乏しく、衆院議員の顔ぶれはあまり変わらない。レストランに例えると、新メニューが全く出ない店みたいなものだ。有権者の足が遠のくのも当然だろう。

 もちろん素晴らしい国会議員はいるし、永田町がやるべきことをきちんとやっていれば、同じ顔ぶれでも全く構わない。しかし、例えば医療・介護・年金制度をどう持続可能な形にするかなどという国民の関心が大きな政策課題を、ここ数年の間、与野党とも必死に議論することもなく、国民に示してもいない。

 私はこの15年間、永田町と民間企業・団体を2往復してきた。それで強く感じるのは、民間には有為な人材がたくさんいるということと、民間を取り巻く環境の大変動である。特にAI(人工知能)の発達。私は囲碁が趣味なのだが、囲碁のAI(アルファ碁)が世界のトッププロに勝った時は本当に驚いた。AIは今、民間のあらゆる事業で応用や適用が進められている。企業は生き残るために必死になっている。

 スタートアップ企業もどんどん出てきた。オプジーボ、iPS細胞、宇宙のこと、脳科学等々、新たなことが次々とわかってきた。量子コンピューター、ブロックチェーン、人工光合成なども実現が近づいている。猛烈なスピードで世の中が動いている。

 それに比べて、永田町の動きのなんと鈍いことか。新陳代謝が少ない組織は沈滞する。しがらみのない外部の有為な人材を政治の世界にたくさん入れなければ、政治はますますダメになるだろう。

 しかし、日本の選挙は政治のプロではない普通の人が挑戦しにくい・当選しにくい・関わりにくい仕組みになっている。こんな制度はまっとうではない。次回以降、それを具体的に示したい。 =つづく

(近藤学/早大理工総研招聘研究員)

関連記事(外部サイト)