多様化の時代 無所属候補には過度な制約を課さないこと

多様化の時代 無所属候補には過度な制約を課さないこと

特区でネット投票を導入してはどうか(提供写真)

【ここが変だよ日本の選挙】(7)

 無所属候補の選挙運動に対する縛りを緩める必要もある。例えば衆院選では、ビラの上限枚数を引き上げ、政見放送を可能にするなど、政党の公認候補とできるだけ条件を同じにすべきだ。

 現在の仕組みは政党選挙に偏りすぎだと思う。今は多様化の時代である。地域や世代が異なれば、取り巻く環境やニーズは大きく違う。政党が掲げる理念や政策と完全に主張が一致する政治家など、まずいない。

 したがって、無所属候補に過度な制約を課さないような規則が望ましい。ただ、党籍や所属会派については選挙時に公開し、有権者の判断材料として提供する必要があるだろう。

 真にカネのかからない選挙にすることも重要だ。かなり問題のある政治家でも、莫大なカネをかけて選挙運動すれば勝つ可能性が高まる。資金力で当選が決まってしまう選挙制度でいいはずがない。

 そのため、事後ではあるが、政治活動と選挙運動に伴う会計を連結決算で一元的に公開し、選挙運動期間より前も含めて各政治家の活動に全体でどれくらいカネがかかったのかを有権者に見えやすくしてはどうか。

■特区でネット投票を導入しては?

 さらなるIT活用も待ったなしだ。現在、有権者はSNS(フェイスブック、ツイッター、LINE、インスタなど)を使って投票依頼をすることは可能だが、電子メールでの依頼は禁じられており、訳が分からない。当然、電子メールも容認すべきである。

 また、立候補届け出に伴う事務にも改善の余地がある。届け出書類の内容を簡素化し、選管による事前審査くらいはネットでのやりとりを可能にしてもらいたい。

 一昨年の暮れ、当時の野田聖子総務大臣は「ネット投票の研究が急務」と述べた。それを受けて発足した総務省の有識者研究会は昨年8月、「まずは海外在住の邦人による投票で導入可能」とする報告書を発表したが、のんびりし過ぎているのではないか。

 IT先進国のエストニアでは2005年からネット投票が導入され、年々利用が進んでいる。今年3月の国政選挙では投票総数の44%がネット投票によるものだった(図)。

 日本でもネットバンキングやe―Taxなど、高い信頼性が要求される分野でネット化が進んでいる。ブロックチェーンなどの先進技術の発展も著しい。ネット投票が可能になれば、外出が難儀な高齢者への大きなプレゼントになる。

 国が導入に及び腰なら、地方選挙で導入したい自治体はないものか? これこそ特区を使って進めてみる価値はありそうだ。

(近藤学/早大理工総研招聘研究員)

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