今後の政界と参院選の展望は?カギを握る無党派層4000万票

今後の政界と参院選の展望は?カギを握る無党派層4000万票

モノが違う(左から佐藤栄作、池田勇人、吉田茂)(C)共同通信社

【ここが変だよ日本の選挙】(10)

 さて、参院選はどうなるのか。無党派層は有権者の約4割、4000万票。恐ろしい票数だ。この人たちが動くかどうか、動いた場合にどの候補者や政党に投票するかがカギである。

 彼らがしらけている「昭和の選挙」を終わらせるには、時間がまったく足りない。

 ただ、「昭和の選挙」が多くの問題を抱えているということは多くの有権者に知っておいて欲しい。そうした視点で今後の2カ月間、政治を見てもらいたい。

 では政党はどう動けばよいか? そもそも私は、もはや2大政党を目指す時代ではないと思っている。戦後焼け野原の時、ほとんどの人が貧しかった。それから73年余が経ち、その間、高度成長、2度のオイルショック、バブル、バブル崩壊、超少子高齢化と、時代はどんどん変わってきた。

 人々の生活や価値観はものすごく多様化した。解決すべき政策課題の優先順位は地域ごとに違う。国会議員の関心事や立場もさまざまだ。であるならば、国会議員の集合体である政党を2つに大きく収斂させるというのは無理筋かもしれない。与野党とも、憲法や安保や原発などの重要政策に大きな違いがあるにもかかわらず、連立政権を組んだり、ひとつになろうとしている現在の姿が国民から理解されないのは当然という気がする。

■無党派層は談合が大嫌い

 もし、自民と公明が憲法問題について2晩徹夜のガチンコ討論(全議員出席)をユーチューブで中継したら、無党派層は旗幟鮮明にする行動を高く評価するだろう。立民と国民なども原発問題などで実施すれば高い評価を得るだろう。候補者調整についても密室で決めず、公開討論で審査して決めたらいいのではないか。無党派層は談合が大嫌いなのだ。

 かつて、松野頼三元衆院議員は次のように述懐した。「政治家は重荷をしょって廊下を歩く時、そばに近寄れなくなるものだ。昨日までは『佐藤さん』と肩をたたいても、沖縄返還問題が拡大するとともに、佐藤さんに廊下で会っても、近寄れなかった。歩く時、つむじ風みたいのを感じた。所得倍増の時の池田さんも風を切って歩いた。代議士会でいろいろな議論をしていても、池田が立って所得倍増を説くと、『反対』という声を出せない。吉田さんがあれほど不人気になっても、ヤジるやつはひとりもいなかった」と。

 重いテーマに勇気を持って必死に取り組み、私心を捨てて国民を粘り強く説得する、そういう真の政治家や政党が無党派層を動かし、参院選や衆参ダブルで勝つことを願う。=おわり

(近藤学/早大理工総研招聘研究員)

関連記事(外部サイト)