安倍政権がブチ上げ「健康寿命延伸プラン」に透ける魂胆

安倍政権がブチ上げ「健康寿命延伸プラン」に透ける魂胆

健康づくりを強化(根本厚労相・左)(C)日刊ゲンダイ

「人生100年時代」を掲げ、高齢者の就労拡大に躍起の安倍政権。先日、70歳までの雇用確保を企業に求める方針を示したばかりだが、今度は、「健康寿命延伸プラン」をブチ上げた。健康寿命を延ばし、とにかく高齢者を働かせるつもりのようだ。

 心身ともに健康で活動的に暮らせる期間が健康寿命だ。2016年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳に対して、健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳。厚労省は29日、40年までに健康寿命を16年比3歳以上延ばす目標を示した。

「健康寿命延伸プラン」は、高齢者人口がピークを迎える40年に向けて、高齢者の“活躍”を促しているが〈その前提として、特に予防・健康づくりを強化して、健康寿命の延伸を図る〉としている。

■強制労働で高齢者はボロボロに

 もちろん、健康寿命が延び、死ぬギリギリまで元気なのは、本人にとっても家族にとっても幸せなことだ。しかし、透けて見えるのは、少しでも高齢者を寿命ギリギリまで働かせようとする魂胆だ。

 実際、安倍政権は高齢者が働かざるを得ない仕掛けを次々につくっている。

「昨年、年金支給開始を68歳に引き上げる提言をした財務省の審議会は、〈年金支給開始年齢の引き上げは高齢就労を促進する〉と本音を漏らしています。要するに年金を支給しなければ、働くようになるだろうということです。今月は、安倍首相が議長を務める未来投資会議が、70歳雇用の努力義務を企業に求めている。金融庁も〈今後は公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある〉と将来の不安をあおっています。安倍政権が70歳まで国民を働かせようと考えているのは間違いありません」(霞が関関係者)

 長生きされても、健康でなければ働けない上、医療費や介護費がかさむ――健康寿命延伸を進める安倍政権は、そう考えているのかも知れないが、“兵糧攻め”で高齢者を労働に追い込むようなやり方で、ホントに“健康寿命”は延びるのか。体を壊すだけなのではないのか――。医学博士の左門新氏が言う。

「働けるうちは働く方が健康は維持できます。ただし、自らの意思で、やりがいや希望を持って働く環境が必要です。年金をカットされ、追い詰められて働くのは、心身ともに弊害が多いと思います。政府が『健康寿命を延ばせ。その間、働け』と上から押し付けても、健康にはなりませんよ」

 安倍政権が語る「健康寿命」は要注意だ。

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