自民・下村博文氏「大連立」発言のウラに野党分断工作

自民・下村博文氏「大連立」発言のウラに野党分断工作

ナメられたものだ(枝野立憲民主党代表と玉木国民民主党代表=右)/(C)日刊ゲンダイ

「大連立を組むのもひとつの考え方」

 自民党の下村博文憲法改正推進本部長が、3日のBS番組で、改憲を巡って野党と組む可能性に言及したことが物議を醸している。安倍首相が「2020年の改憲」を打ち出しているのに、国会でなかなか議論が進まないことに業を煮やしての発言だろう。改憲に消極的な公明党への“脅し”の意味合いもあるとみられるが、隠れた狙いは、参院選を目前にして野党を揺さぶる「分断工作」だ。

 番組で下村氏は「大連立」発言の一方で、衆院憲法審査会が膠着状態となっている原因が「立憲民主党の枝野代表」だと批判。下村氏が想定する大連立の相手が、政権寄りの「日本維新の会」だというのは想像に難くないが、それだけではないという。

「国民民主党ですよ。同党には、改憲に前向きの議員が少なくない。衆参同日選観測が広がる中、『改憲の是非』が民意を問う大義になる可能性も出てきている。そうなれば、国民民主党と立憲民主党がますますギクシャクするのは間違いないし、『大連立』の誘い水で選挙後にこっちへ近づいてくる国民民主の議員もいるでしょう。国民民主が選挙でジリ貧になれば、分裂する可能性だってある」(自民党関係者)

 参院選の1人区で候補者一本化の動きが加速するなど、野党がここにきて連携に舵を切っているため、何としても水を差したいようだ。

 確かに国民民主は、立憲民主との違いを出そうと昨年来、「建設的野党」路線を打ち出してきた。玉木代表は昨年10月の代表質問で「平和的改憲」を訴えたこともある。今国会でも、幼児教育・保育を無償化する子ども・子育て法案で付帯決議を付け賛成に回ったり、参院の歳費返納案でも自公案に賛成して立憲民主や共産とは行動を異にしている。

 政治評論家の野上忠興氏が言う。

「下村発言は次の人事も睨んだ安倍首相への“忖度”もあるのでしょう。しかし、選挙を前にして政権与党に『大連立』なんて言わせるとは、野党にとって恥ずべきことであり、野党もナメられたものです。『いざとなったら閣僚ポストもあるよ』というエサを投げて、スケベ心をくすぐっている。こんなことで野党が分断されたら、自民党の思うツボですよ」

 野党は姑息な安倍自民に惑わされてはダメだ。

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