GPIFも年金運用成績を公表せず?過去にも参院選後まで“隠蔽”

GPIFも年金運用成績を公表せず?過去にも参院選後まで“隠蔽”

公表遅れは許されない(GPIFの高橋則広理事長)/(C)日刊ゲンダイ

2018年度第3四半期の運用実績はマイナス14.8兆円――。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年2月、過去最大となる年金運用の損失を発表してから4カ月余り。例年、7月第1週の金曜日に前年度の通期の運用成績を公表するが、霞が関では「参院選の前には公表しないのではないか」と疑念の声が上がっている。

 18年度の年金運用は、第1、第2四半期が2.6兆円、5.4兆円のそれぞれプラスと順調だったが、第3四半期は米中貿易摩擦などを懸念した世界的な株安と円高の影響をモロに受け、15兆円に迫る大損失。第1、2四半期のプラス分を完全に溶かした。

 通期の見通しも「第4四半期(今年1〜3月)は、外国株の上昇が期待できても円高傾向が続いた影響で利益は減殺されてしまう。約15兆円もの損失は補填できず、恐らく通期はマイナス運用です」(経済評論家・斎藤満氏)という状況だ。

 そのため、運用損が投票に及ぼす影響を考慮し、「公表を参院選後まで避けるのでは」と勘繰られているのだ。なぜなら、GPIFにはあきれた前科がある。

 15年度も約5兆3098億円もの運用損を出したが、その事実を国民に知らせたのは16年7月29日。同年7月10日の参院選の投開票が終わるまで公表を例年から1カ月近くも遅らせたのだ。

「当時、GPIFは『初めて保有銘柄を発表するため、時間がかかった』と説明しましたが、公表した『平成27年度業務概況書』のうち保有全銘柄に費やされたのは、たった1ページ。しかも、上位10銘柄の表を張りつけただけで、11位以下は『管理運用法人のホームページをご覧ください』と片づけられていた。この作成に1カ月近くもかかるわけがない。非常に苦しい公表遅れの言い訳でしたね」(厚労省事情通)

 政権からの指示があったのか、それとも忖度かは“ヤブの中”だが、今年は例年通り公表するのか。GPIFに聞くと、「今のところ、7月第1週の金曜日に公表予定です」(企画部企画課)とのこと。なぜ、「今のところ」なんて含みを持たせるのだろうか……。マイナス運用の公表を再び参院選まで隠蔽させないよう、監視が必要だ。

関連記事(外部サイト)