世論調査でリード 民主党バイデン前副大統領の強みと弱点

世論調査でリード 民主党バイデン前副大統領の強みと弱点

ジョー・バイデン候補(C)ロイター

【現地取材 トランプ再戦への包囲網】#2

「バイデンは焼き上がったケーキなのです。それが彼の強みですし、安定感につながっていると思います」

 米首都ワシントンで30年以上のロビー活動経験があるジョン・カーペンターさんは、英語の「焼き上がったケーキ(誰もが知る味)」という表現を使った。

 2020年大統領選で民主党レースのトップを走るジョー・バイデン候補(76)は、オバマ政権下で8年間、副大統領を務めたほか、36年間の上院議員の経験もある。知名度だけでなく政治家としての力量も知れ渡る。それだけに新たなスキャンダルは出にくく、打たれ強い。現職大統領トランプに、「知能指数の低い人物」と罵られて喧嘩を売られても、冷静さを保っている。

 世論調査でも現在トランプをリードしているバイデン候補。だが民主党内部からは「バイデンで本当にトランプに勝てるのか」との不安も拭えない。76歳という年齢だけでなく、政策は穏健で、トランプと1対1の討論をした時に論破できるかも問われている。

 大統領選で重要州となるフロリダ州出身の大学4年生マット・パースリーさんは、バイデン候補には魅力を感じないと明言した。

「来年はぜひトランプをやっつけてほしいですが、バイデン候補に若者のメッセージが伝わっているとは思えないです。焼き上がったケーキというより、焦げてしまったケーキで、私は他の若い候補に一票を入れるつもりです」

 選挙戦が進むにつれて、バイデン候補はサバイバルゲームにどこまで耐えられるのか。同候補にとって来年の大統領選は3回目となる。最初にトライした1988年の選挙で、同候補が辞退していった経緯を筆者はワシントンで鮮明に覚えている。

 予備選でスピーチをした時、英政治家の有名な演説を盗用したのだ。すぐに発覚したことで事実を認めざるをえず、メディアに叩かれて辞退するに至った。バイデンは「二度と同じ過ちは犯さない」と言ったが、こうした小ずるさが墓穴を掘らないとも限らない。

 来年11月の本選挙まで、飽きられずにいられる味を出し続けられるかが勝負の分かれ目かもしれない。 =つづく

(堀田佳男/ジャーナリスト)

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