生保調査で分かった 60歳2000万円貯蓄の内実と迫る消費大不況

生保調査で分かった 60歳2000万円貯蓄の内実と迫る消費大不況

なかったことにはできない(「報告書受け取らない」と会見する麻生金融相)/(C)共同通信社

公的年金だけでは老後資金が2000万円不足するとした金融庁の報告書。連日、ワイドショーでも取り上げられ、老若男女誰もが“老後”を考えるきっかけになった。ぼんやりしていた年金への不安がクッキリ明確になったわけだが、不足しそうな人がどれくらいいて、どんな行動に向かうのだろうか。

 プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険(PGF生命)の調査結果が興味深い。今年60歳となる男女2000人を対象に4月に実施された。

 貯蓄額の平均は昨年の2725万円から2956万円と231万円増えた。金融庁が示した2000万円を大幅に超えている。金融庁に警告されるまでもなく、着実に老後の備えが厚くなっているように見えるが、内実は散々だ。

■60歳の3分の2が2000万円未満

 貯蓄1億円以上が8.1%と2ポイント近く増えたことが平均額を引き上げただけなのだ。逆に、100万円未満が4ポイントも増え、24.7%と4人に1人となった。「貯蓄の格差が広がっているように見えます」(PGF生命広報チームの担当者)

 一部の富める人に高額の貯蓄が集中し、圧倒的多数は厳しい状況なのだ。老後資金が不足するとされる貯蓄2000万円未満はナント、全体の3分の2を超える。この人たちは金融庁の報告書をどう受け止めるのか。

「不足するということで、金融庁は投資を勧めたわけですが、将来不安を抱く人が、儲かるかもわからない投資になけなしのおカネを投じるとは思えません。むしろ、これまで以上にギリギリまで節約を徹底し、少しでも貯蓄しようと考えるはずです。この先、国民の消費マインドは冷え込み、消費大不況が訪れるかもしれません。〈老後2000万円不足〉の件は今や子どもでも知っています。影響は計り知れません」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)

 おこづかいをねだる子どもに、“老後資金”を盾に渋る親の姿が目に浮かぶ。“消せない報告書”が景気をどん底に落とすことになるのか。

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