韓国の知識層からも「安倍を早く何とかしてくれ!」

韓国の知識層からも「安倍を早く何とかしてくれ!」

「安倍政権を糾弾する」と書かれたプラカードを手に抗議する韓国国民(C)ロイター

【安倍政権 戦略なき対韓外交】#1

 光復節(8月15日)を前に韓国・ソウルの空気は燃えたぎっている。市内の地下鉄構内に「今月の独立運動功労者」の写真入りパネルが展示され、市庁近くには独島(竹島)の模型が飾られているのは風物詩だ。しかし、今年の夏は少し様相が違った。

 これまでの「反日」は、韓国人にとってある意味で恒例行事的な面があったが、「日本版ヒトラーのような安倍首相」(ブレークニュース編集主幹・文日錫氏)がおっぱじめた露骨な韓国叩きによって、日韓間で予測不能な事態が起きる危険性を感じているようだ。韓国蔑視を隠そうとしない安倍政権が元徴用工訴訟を理由に経済報復に打って出て、文在寅政権打倒を画策している――。そうみる専門家もいる。

 韓国国民は日常的に日本製品を愛用しており、ケーブルテレビには日本のコンテンツ専門の「チャンネルJ」があり、「孤独のグルメ」や「大改造!!劇的ビフォーアフター」といった番組が人気だ。日本人以上に日本のテレビ番組に詳しい人が結構いる。日本製品や文化に慣れ親しんだ韓国国民が「戦後の朝鮮半島の歴史で最も危険で、侮蔑に値する政治家」(文日錫氏=前出)を前に、感情を揺さぶられているようなのだ。

 日本人観光客が多い明洞や南大門市場には一時、「BOYCOTT JAPAN」と大書された旗が約1100本も掲げられたが、間もなく回収された。一方で、東大門市場の雑貨屋台の後ろには「NO ABE」のポスターは張られたままだ。

 朴槿恵前大統領を弾劾訴追に追い込んだのは、光化門広場でのろうそく集会だった。その象徴的なスポットで「反アベ」集会が展開されている。海外首脳、とりわけ日本の首相をターゲットにしたここまで大規模なデモは聞いたことがない。

 ソウルで会った大学教授は筆者の顔を見るなり、「アベ! 早く何とかしてくれよ」とまくし立て、人さし指を自分の頭に向けて渋面をつくった。「頭がおかしいやつ」と言いたいらしい。

 金大中政権時代に大統領秘書室長や文化観光部長官を務めた朴智元国会議員(無所属)は自民党の二階幹事長と20年来の親交があり、兄弟杯を交わした間柄だ。昨年末に逝去した怜子夫人を偲ぶ会にも参列した。その彼はこう言っていた。

「我々は反日ではない。反安倍だ」=つづく

(太刀川正樹/ジャーナリスト)

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