稲田大臣と真っ向対立 安倍官邸が恐れていた“陸自の前川”

稲田大臣と真っ向対立 安倍官邸が恐れていた“陸自の前川”

防衛大臣を辞任した稲田朋美衆院議員(C)日刊ゲンダイ

 8月3日の内閣改造まで居座るとみられていた稲田朋美防衛相が28日、正式に大臣を辞任した。自衛隊内部から追い落としの“リーク”が頻発し、追い詰められた末の辞任だった。稲田大臣の嫌われ方はハンパじゃない。

 稲田防衛相が「日報隠蔽」に関わっていたのかどうか――。自衛隊と稲田大臣は真っ向から対立している。陸自は特別監察の調べに対し、2月上旬に行われた会議の場で、稲田大臣に日報の取り扱いについて説明したと証言し、稲田大臣は「報告を受けた認識はない」と否定。特別監察は「日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」と玉虫色の結論となった。

 安倍官邸は、稲田大臣を嫌う自衛隊から“第2の前川喜平”が現れることを心配していたという。自民党関係者がこう言う。

「日報隠蔽に稲田大臣が関与したかどうかは、加計疑惑とまったく同じ構図です。片方が“加計ありきだった”と認め、片方が“加計ありきではない”と否定している。当事者の認識が百八十度違う。安倍官邸が恐れていたのは、野党から『稲田大臣が嘘をついているのか、陸自が嘘をついているのか、両者から話を聞く必要がある』と陸自幹部の参考人招致を要求されることでした。国会に呼ばれた陸自の幹部が『私は大臣に日報のことを報告しました』と、堂々と陳述する恐れが強かったからです。自衛官は率直だし、ただでさえ稲田大臣を嫌っていますからね。前川喜平氏のような男がもう1人、現れたら手に負えませんでした」

■蓮舫氏代表辞任で自民党に安堵感

 ところが、民進党の蓮舫氏が代表を辞任したことで懸念はなくなったという。

「これまで民進党は、閉会中でも安保委を開くことと、臨時国会の早期開会を強く求めていました。押され気味の安倍官邸は、安保委を開くことを認めざるを得なかった。臨時国会も8月末の召集も予想された。稲田さんも安保委に出席する予定でした。ところが、民進党の蓮舫代表が突然、辞めたことで閉会中の審議は事実上なくなった。新体制がスタートしてからだ、と自民党は絶対に応じない。臨時国会の召集も、民進党の代表選が終わる9月中旬以降になるのは確実です。これでは第2の前川喜平氏も現れない。安倍首相は防戦一方でしたが、これから1カ月半、野党に攻められることはなくなった。安堵感が広がっています」(政界関係者)

 民進党はせっかくのチャンスを自分で潰してしまった。


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