サウジ油田攻撃で原油高 日本経済は消費増税でダブルパンチ

サウジ油田攻撃で原油高 日本経済は消費増税でダブルパンチ

「臨戦態勢をとる」と、トランプ米大統領(左は、攻撃で炎上するサウジの石油施設)/(C)ロイター

中東がきな臭くなってきた。14日にサウジアラビアの石油施設が無人機の攻撃を受け、世界の原油日量生産の約5%に当たる570万バレルの生産が停止。イランと小競り合いを続けているイエメンの武装組織フーシ派が犯行声明を出したにもかかわらず、米国のポンペオ国務長官はイランの仕業と断定した。

 トランプ大統領も「われわれは犯人を知っており、検証次第で臨戦態勢を取る」とイランへの武力攻撃をちらつかせている。

 そうした中、原油価格の代表的指標であるWTI(米国産標準油種)先物相場は13日まで4日続落していたのに、16日は1バレル=62・90ドルと前週末終値から15%近くも上昇し、約4カ月ぶりの高値をつけた。

「トランプ氏は中東不安をあおることで米国の存在感を高め、周辺国に武器を買わせ、大統領選に向けて国内の人気を高める狙いなのでしょう」と経済評論家の斎藤満氏はこう続ける。

「心配なのは日本経済への影響です。サウジは日本の原油輸入先のトップで38%を占めている。米国が軍事攻撃をちらつかせて膠着状態が続けば、国内のガソリン価格が一気にはね上がり、衣類やプラスチック製品など石油関連商品も値上がりするでしょう。米国の株価が下がれば、日本は1週間で10%ほどの株安になると考えられます」

 戦争の機運が高まれば安全通貨の円が買われて円高になる。輸出産業が打撃を受け、株安に拍車がかかることになる。

■イラン攻撃なら日本経済はメタメタ

 事態が深刻化した場合はイスラエルのような米国の同盟国がイランを攻撃する恐れもある。

「そうなったら日本経済はメタメタです。10月1日の消費増税を控え、ポイント還元などの恩恵に浴さない高齢者は現時点で消費マインドが下がっている。そこに追い打ちをかけるように戦争リスクが景気を減退させます。1973年のオイルショックのときのように人々がパニックになって商品を求め、商社などが買い占めに走る事態もあり得るのです」(斎藤満氏)

 大手電力会社10社は10月に家庭向け電気料金を値下げする方針だったが、それも夢に終わりそうな雲行きだ。イラン危機でウハウハなのはトランプだけ。「サウジ攻撃は米国の陰謀」という声が出てもおかしくない。

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