民間試験よりも酷い 大学共通テスト「国数記述式」に課題山積

民間試験よりも酷い 大学共通テスト「国数記述式」に課題山積

受験者1000人〜1500人が犠牲に(C)共同通信社

「安心して受験に臨める仕組みを構築していく」(萩生田文科相)――。来年度の大学入試から導入予定だった英語の民間試験活用の実施が突然、延期となり、新たな「大学共通テスト」を控えた高校生は大混乱だ。しかし、問題は英語だけじゃない。国語や数学の記述式問題でも問題は山積みなのだ。

 5日の衆院文科委で、野党議員は英語の民間試験に加え、国語や数学で導入される新たな記述式問題の採点についても参考人から意見を聴取。驚いたのは、採点者について参考人に尋ねた時だ。

「アルバイトということも当然ある」

 こう答えたのは、ベネッセの山崎昌樹学校カンパニー長。同社は、共通テストの「国語」の記述式問題の採点を大学入試センターから請け負っている。タダでさえ、正誤判断が難しい記述式問題を「アルバイト」が採点するというのだからビックリ仰天だ。山崎氏は「といっても、本当にそれ(採点)を瞬間的にやるということではなくて、数年間を通して、採点業務を真摯にやっていただいている方々」などと説明していたが、「(アルバイトが)学生なのか社会人なのか、どの国籍なのかは問うていない」とも発言していた。

■受験者1000〜1500人が犠牲に

 ベネッセが採点業務にたけた「赤ペン先生」を抱えているとはいえ、人生を左右しかねない大学試験の採点を「アルバイト」に委ねるかもしれない学生はタマッタもんじゃないだろう。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏はこう言う。

「『共通テスト』を担う大学入試センターの試行調査(プレテスト)によると、採点の修正率は0・2〜0・3%。つまり、センター試験の受験者数は約50万人なので、1000〜1500人に採点ミスが生じることになる。アルバイトが採点の質を担保できるのか不明なうえ、このままでは多くの採点ミスが出かねません。国語の記述式は、5段階で評価するため、採点作業もかなり煩雑になります」

 受験生は「自己採点」をもとに志望校を選定する。つまり、ここの部分がいい加減な採点になると、すべてが水泡に帰すのだ。

「記述式問題は、多くの国公立大の2次試験で課せられています。大きなブレを生む可能性のある記述問題を共通テストに導入する理屈が果たしてあるのかは疑問です」(石渡嶺司氏)

 英語の民間試験に続いて記述問題導入も延期になるかもしれない。

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