トランプ擁護も…聴聞会公開の切り替えで揺れる共和党

トランプ擁護も…聴聞会公開の切り替えで揺れる共和党

前ウクライナ大使はトランプ発言に「脅威を感じた」と証言(C)ロイター

【弾劾必至!トランプ再選に「壁」】#2

 ウクライナ疑惑によってドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)は職を奪われるのか――。

 現時点での答えは「可能性は低い」である。というのも共和党はトランプを擁護する姿勢を以前よりも強めており、民主党の弾劾攻勢を受け止めるつもりだからだ。トランプ擁護の動きは議員だけでなく、共和党支持有権者にも広がっている。NBCテレビの世論調査によると、共和党有権者の96%が弾劾に反対している。

 弾劾手続きを進めている下院では、年末に本会議場で採決を行う予定だ。現在、下院(定数435人)では民主党が過半数(235人)を占めており、トランプの弾劾決議は可決される公算が大きい。民主党議員の中には弾劾に反対する者もいるが、採決で過半数の218を下回ることはないだろう。問題は次のステップの上院である。

 上院(定数100人)の政局はいま、下院とは逆である。共和党議員が過半数(53人)を維持するばかりか、トランプに盾突く議員が現時点では一人もいない。しかも上院では「トランプ罷免」のためには3分の2(67人)以上の採決が必要になるため、共和党の中から20人以上の造反者が出ない限り、トランプを罷免できない。

 だが今月6日から、連邦下院ではこれまで非公開だった聴聞会が公開に切り替わった。「トランプ有罪」につながる新たな証拠や証言が公表されれば、共和党議員や支持者の気持ちが離れることもある。

 元共和党大統領選候補でオハイオ州知事も務めたジョン・ケーシック氏は、態度をトランプ擁護から反トランプに切り替えた一人だ。

「ここまでの情報を精査して、もし私がいま上下両院の議員であったならば、トランプ弾劾には賛成票を投じます」

 ちなみに、1974年のニクソン大統領の弾劾事件では、下院が弾劾の採決をする直前、ウォーターゲート事件の鍵を握る重要なテープが公表された。同年8月5日にテープが公表され、同8日夜にニクソンは辞任を発表。それは自らが犯罪を認めた証しだった。

 今後、トランプがニクソンと同じ運命をたどることがあっても不思議ではない。 (つづく)

(堀田佳男/ジャーナリスト)

関連記事(外部サイト)