「沖縄の誇り」発言に違和感 首里城再建に性急な安倍政権の思惑

「沖縄の誇り」発言に違和感 首里城再建に性急な安倍政権の思惑

火災の鎮火から一夜が明けた首里城(左)と安倍首相(C)共同通信社

「首里城は沖縄の皆さんが大切にしてきた、沖縄の皆さんの誇りともいえる極めて重要な建造物です」

 沖縄県のシンボル「首里城」の焼失を受け、6日の閣僚会議でこう強調した安倍首相。「一日も早く復元できるよう沖縄県や地元の皆さまのご意見も伺いながら、必要な財源を含め政府として責任をもって全力で取り組んでまいります」と意気込んでいたが、首里城再建に対してミョーに前のめりな姿勢からは別の思惑が透けて見える。

 首里城火災では約73億円を掛けて復元した計7棟と約400点の収蔵品が焼失したが、ネットによる再建に向けた寄付額は早くも3億円を突破した。その一方で、菅官房長官も「政府としてしっかり財源手当ては行う」と表明。今年度の補正予算案に計上するかも含めて政府内で調整していると明かした。

 官民で首里城再建に向けた動きが出ているのは歓迎すべきことだが、安倍首相の「沖縄の誇り」発言には違和感を覚えてしまう。その「誇り」を誰よりも踏みにじってきたのが安倍政権だからだ。

 辺野古新基地建設に「ノー」を突きつけた県民の意思を無視し、埋め立て工事を強行。中国の軍備増強や米国との安全保障を盾に、長い間、沖縄県民に基地負担の犠牲を強いてきた。ずっと沖縄をないがしろにしてきたクセに、ここにきて「誇り」を呼びかけているのだから呆れてしまう。

 沖縄国際大大学院の前泊博盛教授(日米安保論)がこう言う。

「首里城は国の所有物なので、国が財産を復元することに前向きなのは分かります。しかし、県民は安倍政権の素早い対応に警戒感を抱いています。実際、国に支援を要請しないでくれ、と玉城知事に訴える声まで出たほど。安倍政権に借りをつくると、基地問題に利用されかねないとの懸念がありますからね。『沖縄に寄り添う』とうそぶいてきた安倍政権に対する不信感、国主導の支援に『裏がある』と思われてしまう政権の残念な体質がよく表れています」

 役に立つと思えば、台風や豪雨などの災害被害ですら利用する政権のよこしまな考えは沖縄県民がよ〜く分かっている。

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