高知知事選 野党統一共産候補「金星」なら安倍政権大ピンチ

高知知事選 野党統一共産候補「金星」なら安倍政権大ピンチ

松本候補(左)と浜田候補(C)共同通信社

7日、与野党一騎打ちとなる高知県知事選が告示された。24日に投開票される。自公は8月以降、埼玉、岩手両県知事選で連敗し、10月の参院埼玉補選では擁立を見送る「不戦敗」。高知まで落とすなんてことになれば、安倍政権はグラグラだ。

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 自公推薦候補は、現職の尾崎正直知事(52)から後継指名を受けた浜田省司氏(56)。東大法卒、総務官僚、大阪府副知事というピカピカの経歴で、副知事時代には大阪万博誘致に成功している。

 対する野党統一候補は共産党常任委員の松本顕治氏(35=共産、社民、立民県連、国民県連推薦)。演説の声がいいと評判だ。今年夏の参院選で、徳島・高知選挙区の野党統一候補として出馬し落選している。

 知事選も、現職の後継の自公候補で決まりかといえば、そうではない。

 高知は歴史的に共産が強い。初の小選挙区制(1996年衆院選)で共産が獲得した2議席は京都と高知だった。

 夏の参院選も、松本氏は徳島では自公候補に3万超の差をつけられたが、高知は1万9000票差だ。届かない差ではない。

「3期務めた尾崎知事は人気がありました。TPPや消費増税に反対していたのですが、国政進出のため自民党にすり寄り立場を豹変させた。これまで支持していた県民はカンカンです。一方、野党は、参院選より保守票の掘り起こしが期待できそうです。中村喜四郎衆院議員の演説が効いています」(現地で取材するジャーナリストの横田一氏)

■中村喜四郎氏が保守票掘り起こし

 中村氏は「将来の首相候補」と目された自民党のホープだったが、ゼネコン汚職で逮捕され塀の中に。逮捕直前に自民党を離党し、以後無所属のまま14回当選を重ねてきた。2日の松本氏の総決起集会に中村氏が駆け付けた。「保守政治家の私がなぜここに来たのか」と切り出すとこう言った。

「『共産党だからダメだ』とか『応援できない』とそう考えていたから、自民党の強い時代が今まで続いてしまったわけです。どうか知事選で奇跡を起こしてください」

 出席者によると、とりわけ大きな拍手が湧き起こったという。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

「厳しい戦いですが、野党候補にもチャンスはあります。実は、他にもっと勝てる可能性が高い候補もいたのですが、高知はあえて共産党の候補でまとまりました。埼玉、岩手に続いて、高知県知事選で共産党の野党統一候補で勝ったとなると、ものすごく画期的。次期衆院選の野党共闘に向けて大きな前進になります」

 閣僚の辞任続きで逆風の自民は危機感をつのらせる。鈴木俊一総務会長は5日、高知県知事選について「状況は厳しい。2人の閣僚が1週間のうちに辞任したのは、ボディーブローのように政権へのマイナスイメージがある」と語った。

 選挙戦で、自公は松本氏の行政経験不足を攻撃しているが、かえって県民の反発を招いているという。

 高知で野党統一候補が勝てば、山は動く。

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