ICTリテラシーが必要な「マイナポイント」は税金ムダ使いの愚策

ICTリテラシーが必要な「マイナポイント」は税金ムダ使いの愚策

面倒な手続き(総務省HPから)

鼻先にニンジンをぶら下げたつもりか――。

 政府は19日、マイナンバーカードを活用した新たなポイント還元事業の方針を固めた。最大2万円までのキャッシュレス決済や入金に5000円分のポイント(マイナポイント)を還元する、かなり“お得”なサービスを検討しているのだが、国民から「税金のムダ」との声が続出。出はなをくじかれた格好となっている。

 政府は事業開始を来年9月と想定。JR東日本の「Suica」やイオンの「WAON」などの電子マネーサービスのほか、「LINEペイ」や「ペイペイ」といったスマホ決済サービスを展開する計12業者が参加する意向を示している。

 政府の狙いは14%にとどまるマイナンバーカードの普及率を上げることだが、問題はカード取得からポイント還元までの手続きの煩雑さである。そもそも、カードの申請から手元に届くまでおよそ1カ月かかる上に、その後の手順も厄介なのだ。

 ポイントを受け取るためには「マイキーID」の登録が必須。スマホから登録する場合、専用のアプリをインストールし、マイナンバーカードを読み取らなければならない。パソコンから登録する場合は、専用ソフトをインストールすることに加え、カード情報を読み取るためのカードリーダーが必要だ。ポイントを獲得するまで、ざっと5段階の手順を踏まなければならない。インターネットに慣れた「ICTリテラシー」の高い人でなければチンプンカンプンだろう。

 総務省もID取得について<一定のICTリテラシーが必要>と認めている。対策について総務省に問い合わせると、「マイナンバーカードを交付する自治体、全国に店舗を展開するスーパーや携帯ショップに国が補助金を出してID取得支援の窓口を設置しようと検討しています」(マイナポイント施策推進室)と説明した。

 工夫しているとはいえ、面倒な“愚策”に税金を突っ込もうとしているのだから、どうかしている。マイナンバー制度に詳しいジャーナリストの斎藤貴男氏はこう言う。

「お金で国民を釣ろうとする卑しさが透けます。お金をばらまいても普及しなかったら、更なるポイントを付与したり、違う特典を付け加えたり、どんどんエスカレートするのではないか。政府は国民を一人一人支配する監視社会をつくりたくてたまらないのでしょう」

 誰のための税金か、政府にはよーく考えてもらいたい。

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