共通テストめぐり次々と…ベネッセに採点業者「失格」の決定打

共通テストめぐり次々と…ベネッセに採点業者「失格」の決定打

受託を猛アピールするベネッセの資料奄ニ萩生田文科相(C)日刊ゲンダイ

「桜」の陰に隠れているが、大学入学共通テストをめぐって、怪しい話が相次いでいる。

 2017年5月と9月、ベネッセコーポレーションは首都圏の高校の教師向けの研究会で、教材や進研模試をPR。その中で、共通テスト検証事業の「採点助言事業」を受託したことを、資料をわざわざ配布して猛アピールしていたのだ。

 共通テスト本番の国・数記述式の「採点業務」は、ベネッセの100%子会社「学力評価研究機構」が、来年度から23年度まで約61億円で請け負うことになった(今年9月30日付)。大学入試センターとの契約書の6条には〈本業務を受託する事実を利用して取引を誘引すること〉を禁止する規定がある。

■契約違反スレスレ

 研究会でのPRは6条違反ではないのか――。ベネッセHD広報部は「取引を誘引するなどの意図は一切なかった」「当時の契約は誘引禁止の規定はなかった」と文書で回答。所管の文科省は「いかがなものかと思うが、研究会は契約締結の2年前のことで、違反にはならない」(大学振興課)と答えた。

 加えて、同機構の服部奈美子社長がベネッセの商品企画開発本部長を兼務していることも判明。同機構は、試験実施前に「問題と正解例」を閲覧できる。採点業者の社長として知り得た情報を、親会社の本部長の立場で受験ビジネスに生かせば鬼に金棒だ。

 入試センターは「両社は別会社で、役職を兼務していても守秘義務を守れば、違反にはなりません。ただ、誤解を招くので、兼務の解消を協議しています」(担当審議官)と答えた。

「入試改革を考える会」代表で中京大教授の大内裕和氏(教育社会学)が言う。

「17年の研究会も、服部氏の兼務も、契約違反でないからいいという問題ではありません。2つの事例は、ベネッセが利益を最優先し、公正、公平が求められる採点事業者から最も遠いことを示しています。実際、萩生田大臣は厳重注意している。大臣まで怒っている業者に、大事な採点を委託していいのでしょうか」

 問題山積の記述式は、もはや瀕死状態。即刻引っ込めるべきだ。

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