「桜を見る会」で安倍首相を刑事告発した理由【斎藤貴男・二極化・格差社会の真相】

「桜を見る会」で安倍首相を刑事告発した理由【斎藤貴男・二極化・格差社会の真相】

「関与していない」とは真っ赤な嘘(安倍首相)/(C)共同通信社

斎藤貴男【二極化・格差社会の真相】

「桜を見る会」と前夜の懇親会の問題で、私は先週20日、市民49人とともに、安倍晋三首相を公職選挙法および政治資金規正法違反の疑いで東京地検に刑事告発した。同業の浅野健一、講談師の神田香織の両氏と並んで記者会見にも臨んだが、告発自体は公表済みだったせいか、あまり大きく報じてもらえなかったので、自分自身の発言や思いを記録しておきたい。

 私は大要、こんなことを話した。

「日本の社会は安倍さんに破壊されてしまった。権力や巨大資本に近い人間は何をしても許され、そうでない者は何も許されない。内閣府の国策『ソサエティー5・0』が実現すれば、私たちの全行動は監視され、生き方まで誘導されるようになっていく。あのような権力者には一刻も早く辞めてもらわないことには恐ろしすぎる」

 民主党政権だって「桜を見る会」に支持者を招いていたくせに、として安倍氏を擁護する声が小さくない。だが、要は程度問題だ。社会的儀礼のレベルと、公費による接待のために定員を倍近くも増やした暴挙が同じであるはずがないだろう。

 こうした告発が野党の追及の邪魔になる、という批判もあった。安倍氏が告発を理由に答弁を拒否するから、というのだが、これもおかしい。どんな状況になろうと、国会では嘘だけを吐きまくり、居直る人間だということぐらい、彼のこれまでの言動で、みんな、嫌というほど思い知らされているではないか。

 今、何よりも大切なのは、安倍氏を許せない人々が、それぞれのできる方法で、明確な意思表示をすることだ。共同通信の全国世論調査によると、この問題に関する安倍氏の発言は「信頼できない」と答えた人が69・2%を占めたという。黙っている必要はない。告発でも何でもいいから、行動に移すべきだと思う。

 許せない相手に支配され続けることは罪である。短い人生を、いつまでも蹂躙されたままであってはならない。

 また斎藤か、と眉をひそめる向きもあるらしいと承知してはいる。確かに住基ネット訴訟をはじめ多くの反権力的市民運動に関わってきた。言論だけで勝負する物書きでありたいとは思っても、共感するなら矢面に立ってくれと頼まれて、それでも孤高を保っていられるほど、私は偉くない。

 愛国者を自任する安倍さんに忠告したい。何もかもを白状して退陣し、表舞台から消え去ることだ。それが一番、日本のためになる、と。

(斎藤貴男/ジャーナリスト)

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