文科省やはりベネッセありき「数学記述式」死守に躍起の愚行

文科省やはりベネッセありき「数学記述式」死守に躍起の愚行

共通テストはベネッセありき 撤回でスッキリしたらどうか(C)日刊ゲンダイ

問題山積で来年度からの実施が疑問視されている「大学入試共通テスト」の国語と数学の記述式。臨時国会最終盤の大きな争点になっているが「国語は引っ込め、数学は残す」との落としどころが浮上している。

「国語は言葉の解釈の幅が広いこともあり、採点は、複数の採点者が議論しながら時間をかけて行います。50万人規模の採点を短期間で公平に行うのは物理的、技術的に不可能です。加えて、自己採点も難しい」(高校の国語教師)

 文科省は、国公立大学に共通テストの国語記述式試験を合否の判断材料としないよう要請する検討をしている。オススメできる代物ではないことは文科省も分かっているのだ。中止を求める声を抑えつけるのは簡単ではなく、実施見送りが現実味を帯びる。

 英語民間試験に続いて、国語記述式まで頓挫すれば、共通テストがらみの民間委託は数学記述式だけになってしまう。

「数学まで見送ると、ベネッセに顔向けできない。文科省は何が何でも、数学記述式だけは死守しようと躍起になっている。記述式導入ありきで、いっそう採点しやすい問題になるとみられています」(文科省関係者)

 採点しやすい問題――。18年度に行われた共通テストの試行調査「数学I・数学A」の記述式問題を見て驚いた。例えば、第1問[1](あ)では、という問題が出されている。答えは、{1}⊂Aなのだが、思考力や表現力が必要な論述からは程遠く、知っていて、
書ければ解ける。選択肢から選ぶ「マークシート式」で問うのとほとんど変わりはない。思考力や表現力を問うという記述式の趣旨は完全に破綻している。

■マークシートと変わらず無意味

「入試改革を考える会」の予備校講師・吉田弘幸氏が言う。

「文科省は、数学の記述式について“採点の精度”を強調して、実施しようとするでしょう。しかし、採点しやすさを追求するあまり、マークシートと変わらない問題になってしまっています。多額の費用をかけて記述式を導入する意味はもはやありません」

 国・数の記述式の採点業務は、ベネッセの100%子会社「学力評価研究機構」が、来年度から23年度まで約61億円で請け負っているが、今年度の契約費用は約1億900万円だ。文科省が優先すべきはベネッセのビジネスより受験生だろう。傷が浅いうちに国・数両方の見送りを決めるべきだ。

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