負担が膨張しても自分の選挙のために高賃金に目をつむる

負担が膨張しても自分の選挙のために高賃金に目をつむる

両親がともに…(C)日刊ゲンダイ

【国民が知らない 強欲医師の賃上げ闘争】#2

 今月13日に厚労省が発表した「医療経済実態調査報告」によると、昨年度の民間病院の院長の平均年収は3042万円、医療法人の診療所(クリニック)の院長の平均年収は2807万円だ。国公立病院の院長の年収は、民間病院より少ないが、それでも国立1918万円、公立2131万円と高額である。

 また、勤務医の年収は、民間病院が1641万円、国立1432万円、公立1514万円、医療法人の診療所が1054万円で、他の職業に比べて高収入を得ている。

「厚労省の調査は任意。巨額の年収のある院長や医師は実態を知られたくないので回答しない。そのため、実際の平均年収はもっと高いとみていい」(厚労省関係者)

 その高給取りの“賃上げ応援団”と化したのが自民党の厚労族議員。象徴的なのは、10月9日の「人生100年時代戦略本部」での三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)会長へのヒアリングである。

「普段の政調会関連の会合には数人しか議員が参加しないのに、この日は厚労族議員が大挙して押しかけ、医師会などへの応援演説をぶった。特に日医の横倉会長に全員が“お世話になっています”と頭を下げていたのが、印象的だった」(自民党関係者)

■1人当たり34万円

 ヒアリング後、戦略本部の木原誠二事務局長は記者団に「多くの議員が三師会の主張に理解を示し、財政論の観点から医療制度改革を論じることに反対した」と説明。その医師会応援団のひとりが、丸川珠代参院議員だ。

 丸川氏は両親が医師で2017年に計150万円の献金を日本医師会の政治団体、日本医師連盟から受けている。ヒアリングでも医師会の主張をサポートする発言をした。これは医療費が膨張しても医師の賃上げは認めるべきだというに等しい。

 過去10年、国民医療費は毎年2%を大幅に上回るペースで増加。2017年度は約42兆円。国民1人当たり約34万円の負担である。

「国民医療費とは、要は診療報酬の総額のことです。診療報酬の大半は医師らの人件費なので、国民医療費を減らすには、医師の高賃金にメスを入れる作業が欠かせない。自民党厚労族は自分の選挙のために、医師の高賃金に目をつむっている」(前出の厚労省関係者)

 医師の賃金アップの分、国民の負担が増すことを自覚すべきだ。

(長谷川学/ジャーナリスト)

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