小池都政は嘘と隠蔽に逆戻り 名建築・葛西臨海水族園が排除の危機

小池都政は嘘と隠蔽に逆戻り 名建築・葛西臨海水族園が排除の危機

保存の声をガン無視(C)日刊ゲンダイ

日本有数の名建築が「排除」の危機だ。小池都政が約243億円をかけ、都立「葛西臨海水族園」の近隣に新たな建物を建築する報告書の原案をまとめた。

 同園は世界的建築家の谷口吉生氏が手掛け、1989年に開館。大きなガラスドームが特徴で、数多くの建築賞を受賞。

 日本を代表する建築家の槇文彦氏が「非常に広いオープンスペースがある水族“園”。軽やかなテント群の向こうに東京湾が見えてくる。これだけ重層した風景を経験できる場所はない。東京にとって欠くことのできない景観だ」と激賞するほど、文化的価値が極めて高い施設だ。

 通算来園者は5500万人超。多くの思い出が蓄積された景観をたった30年でブッ壊す計画が浮上したのは2017年。都は同園の「あり方検討会」を5回開き、18年10月に「改築」を基本とする構想をまとめた。

 そのパブリックコメントを募集すると改築反対が89%に上り、都は「改築」という表現を修正。「水族園機能を(新水族園に)移設後、施設状態を調査の上、在り方を検討」としたが、水槽の水を抜いた後に解体する可能性は残る。

 都が挙げる理由は老朽化だ。「バリアフリーじゃない」「ろ過設備の更新ができない」と指摘するが、いずれも嘘。バリアフリー化は07年に都の委託により改修実施設計が完了済み。ろ過設備の更新も19日の日本建築学会主催のシンポジウムで、同園の設備設計者だった森村設計の村田博道副社長が「大型ろ過器を運び出す開口部を用意し、当初から更新に配慮してある」と証言した。

 23日に報告書原案をまとめた検討会も建て替えの結論ありき。都庁で傍聴した建築エコノミストの森山高至氏が言う。

「建築専門の委員が『施設保存と長寿命化を求めてきた意見が議事録に残っていない』と疑義を挟んでも、担当課長が遮って関西弁で取り仕切り、原案をまとめました」

 日本建築学会やエール大、ハーバード大の両教授らが保存の要望書を提出しても、小池知事は無視し続けている。

 小池都政は嘘と隠蔽のブラックボックスに逆戻り。「水ぜんぶ抜く」なら再選は遠のくだけである。

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