米国牛から国産牛の600倍の女性ホルモンが…「牛脂」には要注意

米国牛から国産牛の600倍の女性ホルモンが…「牛脂」には要注意

高級ホテルで食べる高級カレーは大丈夫だが…(C)日刊ゲンダイ

【トランプに握られた日本人の胃袋】#9

 米国牛から、危険なエストロゲン(女性ホルモン)が国産牛の600倍も検出されたのに、政府はこの1月から大量に輸入しようとしていると書いた。

 自分の健康を守るには、米国牛を避けるしかないが、実はエストロゲンはさまざまな形で私たちの口に入っている。今週はどんな食品が危ないのかについて触れる。

 まず「牛脂」だ。エストロゲンは脂肪に溶けやすく、米国牛の脂肪と赤身を比較すると、脂肪の方が3〜7倍と圧倒的に高い。これが米国牛の牛脂である。「牛脂なんて、すき焼きかステーキで使うぐらいで、食べるわけじゃないだろ?」と思うかもしれないが、実は結構食べているのだ。

 たとえば、カレーやシチューのルーには、外箱の原材料欄に「牛脂」と書かれていることがよくある。なぜ牛脂を入れるかというと、舌に魔法をかけたようにおいしくなるから。

■子供に危ない米国「牛脂」がまざっている

 だから、牛丼やハンバーガーのように、チェーン店で売られている安価なものにはよく使われるし、安いステーキには赤身の肉に牛脂を注入して霜降り肉のようにすることもある。その際、高い和牛の牛脂なんて使うはずがなく、当然安価な外国産だろう。米国牛は豪州牛に比べて「脂質が多く、軟らかい」といわれているから、かなり使われているはずだ。

 高濃度のエストロゲンを含んだ牛肉を食べると、ホルモン依存性がんになる危険性が高くなることは指摘されているが、最も危険なのは思春期の子供だろう。子供はステーキを食べなくてもカレーやシチューは大好きだ。イリノイ大学のエプスタイン名誉教授は、「男児がハンバーガーを1日2個ずつ食べると、血中のエストラジオール(女性ホルモンの一種で危険性が高い)濃度が10%増加する」と報告している。増えたらどうなるか。乳がんや子宮がんだけでなく、将来の不妊を招くリスクが高くなることを指摘する専門家もいる。エストロゲンは脳血管にも簡単に入ってしまうから中枢神経に影響する。性同一性障害も女性ホルモンが関係しているのではないかといわれているほどだ。

 かつて、高濃度のエストロゲンは、子供に危険でも高齢者は大丈夫だといわれたが、寿命が延びてくるとそうとも言えない。特に閉経後の女性が高濃度のエストロゲンを口にすると、がんになりやすい。いずれにしろ、エストロゲンに汚染されたものを食べて、何ひとつ良いことはないということだ。

(奥野修司/ノンフィクション作家)

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