ソレイマニ殺害で金正恩が怯えている 「明日は我が身」

ソレイマニ殺害で金正恩が怯えている 「明日は我が身」

殺害されたイランのソレイマニ司令官(左)金正恩朝鮮労働党委員長はどう動くか(トランプ米大統領、文在寅韓国大統領と共に)/(C)ロイター

「ソレイマニ司令官の殺害に、金正恩が怯えている」――。こんな言葉が北朝鮮事情通の間でささやかれている。

 ソレイマニはイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」の司令官。イランの英雄的存在だが、3日未明、バグダッド国際空港で米軍の無人機のミサイル攻撃を受けて死亡。トランプ大統領は「米国人への邪悪な攻撃を企てていたため殺害した」と胸を張った。このトランプ大統領の決断に心穏やかでないのが金正恩朝鮮労働党委員長だというのだ。

 トランプ大統領と金正恩委員長は、3回首脳会談を行ったが、北の非核化は遅々として進まず、昨年12月には「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは米国の決心次第だ」と威嚇。トランプ大統領が「金正恩委員長が敵対的な行動を取れば、あまりに多くのものを失うことになる」と言い返す言葉の応酬に発展した。そこにソレイマニの抹殺である。

「ソレイマニ殺害は金正恩委員長への警告でもあるでしょう」とは軍事ジャーナリストの世良光弘氏だ。

「先月中旬に米韓軍が白いシャツの男性を捕縛する合同演習を行い、その映像をユーチューブにアップしました。わずか1、2日で削除され、米側は『人質救出の演習』と説明しましたが、本音は違います。金正恩委員長に対して『米国に逆らうと捕縛するぞ』とのメッセージだったと考えて間違いないでしょう」

■8日、北の動向が決定

 金正恩委員長は、先月31日まで4日間開かれた朝鮮労働党中央委員会総会に出席し、米国に対して威勢のいい言葉を吐いたが、その後は姿を現していない。2013年以降、毎年元日には「新年の辞」を発表するのが恒例なのに今年は見送った。

 国際ジャーナリストの太刀川正樹氏が言う。

「ソレイマニの無残な死に方を見て、明日は我が身と怯えているのでしょう。北朝鮮は平壌を中心に地下道が張り巡らされ、金正恩委員長が寝泊まりする地下宮殿が無数にある。金正恩委員長は常に移動して居場所を隠しています。しかし米国は、朝鮮労働党や軍の内部に100人単位のスパイを確保しているといわれる。その気になれば無人攻撃機だけでなく、昆虫大の小型偵察機を金正恩委員長の執務室に飛ばして爆破することもできるそうです」

 イランの英雄の殺害を目の当たりにした金正恩委員長は、この先どう動いてくるのか――。イランが報復攻撃を公言した以上、トランプ大統領が当分、中東問題にくぎ付けになるのは間違いない。その間、「米国は北を攻撃する余裕がない」と判断して再びICBMや核の実験をする道と、「明日は我が身」と怯えて恭順の意を示す道が考えられる。

「8日は金正恩委員長の誕生日。この日のお祝いの仕方で今後が決まります。祝賀映像が例年より地味な場合は、米軍の攻撃に怯えている証拠。誕生日は彼の心理を浮き彫りにするリトマス試験紙といえます」(世良光弘氏)

 今ごろ、将軍サマは頭から布団をかぶって震えているのだろうか。

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