鳩山邦夫氏遺族が7億円申告漏れ 世襲議員の許されざる"無税相続"の抜け穴

鳩山邦夫氏遺族が7億円申告漏れ 世襲議員の許されざる"無税相続"の抜け穴

鳩山家申告漏れ 国税を評価

鳩山邦夫氏遺族が7億円申告漏れ 世襲議員の許されざる"無税相続"の抜け穴

遺産は100億円超の鳩山邦夫元総務相(C)日刊ゲンダイ

東京国税局が故・鳩山邦夫元総務相の遺族に相続財産約7億円の申告漏れを指摘した。問題は漏れた相続財産の中身だ。政治団体への貸付金を相続財産に含めないなどのミスがあったという。資金管理団体など政治団体を用いた資産継承こそ、国税のタブーだった。

 邦夫氏が代表を務めた資金管理団体「新声会」の収支報告書によると、2016年6月の死去時に邦夫氏からの貸付金は6件、計約4億5000万円あった。うち1件8000万円は母・安子さんの死去に伴う相続分。もう1件の約2400万円は当初、妻エミリーさんが16年7月に貸し付けたと記載したが、昨年4月に修正。邦夫氏が亡くなる4日前に貸し付けたと改められた。

 16年8月に新声会は貸付金を清算せず、人件費に約55%の資金を費やすなど残金をほぼ使い切り、いったん解散。当時は秘書だった次男の二郎衆院議員が同名の資金管理団体を届け出ると、貸付金の記載はごっそり消えた。

 故人が会社や個人などに貸し付けた資金は原則、相続対象となるが、遺族は新声会への貸付金を申告しなかった。

■安倍家も小渕家も…

 政治団体の代表の政治家が死亡、もしくは引退後の残金処理に規定はない。後継者が新たな代表になって政治資金を継承したり、別団体に移すことも可能な上、引き継いだ資金は相続税や贈与税の課税対象外となる。

 この“抜け穴”こそ「課税逃れの世襲特権」と呼ばれるゆえんで、国税当局も手も足も出せなかった経緯がある。実際、00年の小渕恵三元首相の急逝後、資金管理団体に残った約1億6000万円は、娘の優子元経産相の資金管理団体が複数の政治団体を通じて“相続”。小泉進次郎環境相も父・純一郎元首相の引退後、複数の政治団体を通じて政治資金をほぼ丸ごと継承した。安倍首相も父・晋太郎元外相の死後、政治団体を引き継ぐと同時に6億円超もの政治資金をそっくり継承。「相続税逃れ」と報じられた。

「当局が政治団体を用いた資産継承に踏み込んだのは画期的。相続税の大幅改正で大した資産のない庶民まで課税強化される中、世襲議員の課税逃れの放置は許されない。今回を機に国税には追及を強めて欲しい」(政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏)

 持っている人から取るべきだ。

関連記事(外部サイト)