政権交代実現へ イラン反政府デモはCIAが仕掛けた破壊工作【トランプvsイラン 狂気の泥仕合】

政権交代実現へ イラン反政府デモはCIAが仕掛けた破壊工作【トランプvsイラン 狂気の泥仕合】

イラン国内での反政府デモ(11日)/(C)ロイター/Abaca Press

【トランプvsイラン 狂気の泥仕合】#6

 今月8日にウクライナ国際航空機が撃墜されたことで、イラン国内で反政府デモが吹き荒れている。イランは昨年11月にもガソリンの高騰に抗議するデモが起き、1500人が死亡した。

 ハメネイ師という最高指導者を仰ぐ国で反政府デモが起きた背景には米国のCIAの暗躍があると考えていい。CIAの業務は各国に潜入し、プロパガンダをはじめとする破壊活動を繰り広げること。CIAの手先と化したイラン人が群衆に紛れ込んでデモを扇動しているのは間違いない。

 CIAはイギリスやイスラエルの諜報機関と連携し、イランの国内政治に深く介入してきた。アメリカのメディアはその事実を暴露している。ABCテレビは2007年4月に「CIAはパキスタンのテロ組織を使い、イラン国内で数々の破壊工作を行ってきた」と報じた。パキスタンから侵入したテロ組織がイラン革命防衛隊の隊員を誘拐、殺害し、その映像をネット上で拡散した。パキスタンに潜伏していたウサマ・ビンラディンを殺害したときも、アメリカがパキスタンのテロ組織に資金と訓練を提供したことが確認されている。

 ブッシュ政権時代にはアメリカ議会がイラン国内での破壊工作に4億ドルの予算措置を承認した記録が残っており、当時の記録にこうある。

「CIAの破壊活動はプロパガンダに始まり、イランの通貨の価値を低下させて経済を混乱に陥れることで、イランの政権交代を実現することだ」

 古くは1953年の「アジャックス計画」。CIAがイランの石油を独占するために傀儡政権を打ち立てた。トランプ政権が誕生するはるか以前からアメリカはイランとの戦争の準備を密かに進めてきたのである。

■ポンペオはトランプの弱みを握っている

 CIAは2001年の同時多発テロにかかわった国々との戦争を優位に展開するため各地での破壊工作というミッションを与えられた。アメリカ政府は毎年500億ドルの諜報予算を計上。「NED(民主化のための国家寄付財団)」を設立し、イラン国内の市民団体や反政府組織に資金提供を行ってきた。イラン以外でもこうした表裏両面作戦を行った結果、ウソで塗り固めたイラク戦争やアフガン戦争が実行に移されたわけだ。

 トランプ政権下でもCIAの活動費はうなぎ上りだ。対外政策の推進役であるポンペオ国務長官はCIA長官から外交のトップに抜擢された。

 なぜなのか?

 CIAがロシア疑惑をはじめ、トランプ大統領のビジネスマン時代からの弱みをいくつも握っているからなのである。(つづく)

(国際政治経済学者・浜田和幸)

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