トランプへの怒りが原動力「大統領でいるべき人ではない」

トランプへの怒りが原動力「大統領でいるべき人ではない」

ニューハンプシャーはサンダースが制した(筆者提供)

【米大統領選2020 勝者の行方を現地ルポ】#2

「過去30年以上ずっと共和党員だった夫を無党派にさせました。なぜか?トランプへの反対票を入れさせるためです」

 米ニューハンプシャー州南部セーレム市のレストランでウエートレスをするベス・デイビスさんは過去3年、トランプへの怒りを増幅させている。夫に頼み込んで共和党を抜けさせた。

 同州予備選では民主党候補に投票する場合、民主党か無党派として選挙登録をする必要がある。共和党員のままで民主党候補には投票できない。

「夫はトランプを支持してきましたが『大統領でいるべき人間ではない』と説き伏せたのです」

 CNNの出口調査でも民主党員の81%が「トランプへの怒り」を投票行動の1つに挙げている。トランプ大統領に「満足」と答えた人は3%だけだ。有権者にとって健康保険や気候変動、移民政策といった争点も重要だが今年の選挙はトランプ大統領への評価が投票行動の指標になっている。

■民主党員投票の肝は「倒せる候補」

 さらに民主党にとって肝心なのは、トランプ大統領を倒せる候補であるかどうかだ。予備選当日のCNN調査では、ピート・ブダジェッジ候補が最もトランプ大統領に「勝てる候補」(27%)に挙げられた。続いてミネソタ州上院議員のエイミー・クロブシャー候補(21%)、ニューハンプシャー州を制したバーニー・サンダース候補(19%)と続き、予備選前の調査では全米レベルでトップだったジョー・バイデン候補(13%)が実際の得票でも下位に沈んだ。現地で有権者や選挙関係者と話をすると「バイデンは予想以上に早く終わるかもしれない」との話がでていた。

 一方、共和党内のトランプ大統領への支持は依然として根強い。予備選前夜にエアフォースワンで州都マンチェスターに飛んで集会を開くと、1万1000人収容の複合施設は開演1時間前に満席。寒風が吹きすさぶ中、会場外に支援者があふれた。会場に入れなかった不動産会社経営者のビル・ダマスさんはトランプ再選を口にする。

「過去3年、米経済が好況なのは紛れもなく大統領のおかげ。民主党からどんな候補がでてきても負けないと思う」

 有権者はいま民主・共和両党に二分されている。今年の選挙も4年前同様混戦になりそうだ。(つづく)

(堀田佳男/ジャーナリスト)

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