新型コロナPCR“ドライブスルー”検査は今や世界標準 厚労省はなぜスルー

新型コロナPCR“ドライブスルー”検査は今や世界標準 厚労省はなぜスルー

車に乗ったまま新型コロナウイルス感染の検査を受ける市民(手前)と医療従事者=独フランクフルト近郊の病院で(C)ロイター=共同

新型コロナウイルスのPCR検査が保険適用されてから10日以上が経った。だが、検査実施は全く増えていないことがわかった。16日の参院予算委員会で、蓮舫議員(立憲民主)が取り上げた。

 保険適用直前のPCR検査の実施件数は、1日当たり1100〜1500件だったが、適用後も600〜1800件と増えていない。

 2月1日〜3月10日の間、「帰国者・接触者センター」への相談は全国で15万8669件あったが、検査実施は4446件と、わずか3%だったという。国の方針にしばられず、肺炎の疑いがあれば積極的に検査している和歌山県の実施率は34%だから、全国の実施率は極めて低い。

 検査件数が増えないのは、厚労省が医療機関への受診基準として「37.5度以上の熱が4日継続」を示しているからだ。

 蓮舫氏は検査を増やすために、受診基準の緩和を求めたが、加藤勝信厚労相は「ひとつの受診の目安として出させていただきました。インフルエンザやそれ以外の風邪は、通常通り受診をしてくれということであります」と珍答弁。患者が受診前に、コロナと風邪の見極めができたら苦労しない。

 検査難民をどうにかしないと、感染拡大や手遅れによる重症化リスクが高まる。実際、「陽性」を知らずに行動する感染者が相次いでいる。群馬県では、70代の男性医師が、発症後1週間、診察を続け、濃厚接触者は67人に上る。滋賀の50代の男性感染者は、発症後計6日間、会社に出勤していた。

 韓国は日本の20倍の25万件超の検査を実施している。日本も韓国のようにできないのか――。

 韓国の検査拡大はドライブスルー検査を活用したことが大きい。ドライブスルー検査は、英国、ドイツ、ベルギー、デンマーク、豪州など世界に広まっている。トランプ大統領もドライブスルー検査の導入により、1カ月以内に500万件の検査を行うと打ち出している。

 ドライブスルー検査は今や世界標準になりつつある。ところが、厚労省は導入を拒否。医師の診断を伴わないことが多く、検査の信頼性を疑っているからだ。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「世界中で行われているのに、日本のドライブスルー検査だけが信頼性に欠けるとでもいうのでしょうか。早期検査をして、無症状や軽症者は自宅待機、重症者を入院させれば、医療体制も維持できます。どうしてそのように方針転換しないのか理解に苦しみます」

 今も各地で無自覚感染者がウイルスを拡散している。

関連記事(外部サイト)