スマホに連日「緊急速報」感染者足取りもリアルタイム開示

スマホに連日「緊急速報」感染者足取りもリアルタイム開示

地下鉄でも乗車前にサーモカメラで発熱チェック(C)日刊ゲンダイ

【韓国「コロナ戦争」現地ルポ】#1

 日韓双方が入国規制の強化に踏み込む前日の8日午後にソウル市近郊の仁川空港から入国して以来、スマホに連日3〜4件の「緊急速報」が入る。「緊急速報メール:最重要」のタイトルで、ソウル市内の区役所や仁川市役所から最新の感染情報が送られてくる。

 内容は感染者の年齢、性別、それに個人が特定されない範囲の居住エリアや陽性が確認されるまでの数日間の行動記録などだ。

■感染者の足取りも分刻みで公開

 ある感染者の記録はこうだ。早朝4時30分に教会で礼拝。自家用車や徒歩でスーパーやクリーニング店を訪れ、午後6時ごろに最寄りの保健所でPCR検査を受けて帰宅。翌朝7時に保健所が陽性だと通知し、すぐさまソウル郊外の隔離施設入りしたという。足取り情報は分刻み。検査から12時間以内に入院措置が取られる迅速さだ。

 韓国政府や自治体からの情報提供量は圧倒的だ。毎日午前10時すぎに集団感染の震源地となった大邱市の市長が会見、午前11時に中央防疫対策本部によるブリーフィングが続き、その模様をYTNなどのテレビ各局が生中継する。テレビ画面上には検査総数、感染者数、完治人数、死者数のほか、地域別状況などのリアルタイムデータが常に映し出されている。

 青瓦台(大統領府)のホームページでは、さらに詳しい情報をチェックできる。検査総数は26万人を突破(16日現在)。いまだ約1万3000人にとどまる日本の20倍ペースだ。韓国と日本の対応の差は歴然である。

 品薄のマスクに関する情報も丁寧だ。SNSなどで在庫状況がリアルタイムで把握できる。全国約2万店の薬局の在庫情報がアップされていて、緑100枚以上、黄色30〜50枚、赤30枚以下、白ゼロといった具合で、15日までの1週間に販売されたマスクは約1036万枚だったという。

 海外からの評価が高いのが、ドライブスルー方式の検査だ。車に乗ったまま約10分で終了。結果判明も速い。発案したのは青瓦台に近い若い世代の医療関係者のようで、頭の固い日本の厚労官僚には考えもつかなかっただろう。米紙ワシントン・ポストに〈韓国の対応は民主主義の強みの象徴だ〉と称賛されたドライブスルー検査は欧米にも広がっている。

(太刀川正樹/ジャーナリスト)

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