浮上する日本版CDC構想 上昌広氏は「感染研の焼け太り狙い」と一刀両断

浮上する日本版CDC構想 上昌広氏は「感染研の焼け太り狙い」と一刀両断

利権より検査を拡充しろ(C)共同通信社

自分たちの無能ぶりを組織論にすり替えるつもりなのか? 新型コロナウイルス対策で失態続きの政権内で、米国の疾病対策センター(CDC)のような感染症対策の司令塔的となる組織を創設すべきだという議論が浮上しているという。

「機動的なパンデミック対応には、国立感染症研究所(感染研)や国立国際医療研究センターなどバラバラの機関をまとめた組織が必要だという指摘がある。内閣官房にも、エボラ出血熱に対応するため2015年に設置された国際感染症対策調整室がありますが、厚労省との縦割りに阻まれて感染研との連携がうまくいっていない。感染症対策を強力に推し進めるために、日本版CDCの仕組みを構築すべきだという意見は、日本医師会からも上がっています」(官邸関係者)

 日本医師会の横倉義武会長は、既存組織を拡充して感染症に対する危機管理機能を持たせ、自然災害にも対応できる人材育成を提言。安倍首相も3月3日の参院予算委員会で「米国のCDCを念頭に置きながら、組織を強化していくことは重要」と答弁していた。

■「PCR検査の拡充にリソースを集中すべき」

 一向に終息の兆しが見えない現状では、日本版CDCの創設はもっともらしい話にも思えるが、NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう言う。

「日本版CDC構想なんて、感染研が焼け太りを狙っているだけの話です。この機会に権限を拡大し、莫大な予算をブン取ろうと考えている人たちがいる。それに米国のCDCは政府から独立した機関ですが、日本でCDCのような組織をつくっても、厚労官僚の天下り先になるだけです。要は感染研と厚労省の利権の話でしかない。そもそも、当初からPCR検査の拡充や情報開示に消極的だった感染研は、透明性と程遠い。コロナ終息のためには解体した方がいいくらいです。今は無意味な組織改編の議論より、PCR検査の拡充にリソースを集中すべきですよ」

 他国に比べて、日本のPCR検査数はケタ違いに少ない。6日にネット動画で安倍とリモート対談した京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長も、「今の10倍、100倍くらいPCR能力を上げて、隔離していく」と、検査拡充の必要性を訴えていた。

 そういう基本的なこともできていないのに、新組織創設の話が出てくるのは、政府の無能ぶりから目をそらし、“やってる感”を演出するためでしかない。日本版CDCなんて、ろくに仕事ができない今の専門家会議を大きくするだけの話だ。

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