ケチで遅すぎる家賃支援策 都内経営者は「全国一律50万円」にも怒り

ケチで遅すぎる家賃支援策 都内経営者は「全国一律50万円」にも怒り

休業でも家賃は必要(C)日刊ゲンダイ

与党が8日にまとめた家賃支援策の評判がすこぶる悪い。

 中小企業に50万円、個人事業主に25万円を上限として、家賃の3分の2を半年分補助するのが柱。前年同月比で収入が半減か、3カ月で3割減以上が対象だ。事業者が政府系金融機関などから無利子・無担保で融資を受け、国が家賃分を支援。6月中の支給開始を目指すというものだ。

 東京都内で美容関連の店舗を複数運営する経営者はこう憤る。

「上限50万円では話になりません。うちの毎月の家賃は計120万円です。店舗が複数ある事業者は、いくつか潰せということでしょうか。それに家賃は翌月分を前払いですよ。6月分は5月末までに支払わなければなりません。6月中の支給では遅すぎます。立て替えようにもお金がないし、融資の申し込みは長蛇の列。どうしてもっと単純な手続きで、スピーディーに支給しないのでしょうか」

 都内を中心に30店舗以上の飲食チェーンを展開する経営者も怒りは同様だ。

「店舗運営数や店舗面積によって家賃負担は天と地ほどの差があります。都心部で30店舗運営している事業者の月額家賃は数千万円にも及ぶことを分かっているのか。どうして一律50万円なのか」

■店舗数や地域で負担は天と地の差

 確かに、事業者が負担する家賃は店舗数や店舗面積によって大きく変わってくる。それに家賃相場は地域差が大きい。与党は、50万円を「東京都の標準的な家賃」だとしているが、銀座や新宿の店舗も全国一律で同額なんてナンセンスだ。

 例えば、既に福岡市は独自に賃料の8割、50万円までの家賃補助を行っている。北九州市は上限40万円、山形市は同30万円だ。この金額を見ると東京の繁華街に上限50万円は少なすぎる。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

「家賃は地域差があるので全国一律ではなく、地方交付金を自治体に渡して地域の現状に合わせるべきです。手続きにしても、窓口が大混乱で『3密』になっています。最前線の現場の状況を分かっているのでしょうか」

 公明党は「臨時交付金を拡充し、独自の家賃支援を講じる自治体に財政支援を行う」と主張していて、与党案にはこの提案も盛り込まれてはいるが、最終的に政府はどうするのか。

「全国一律」では困窮する都内の経営者を救えない。

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